- ドバイの暗号資産規制当局はライセンス交付に要する時間について「熱すぎず、冷たすぎず、適切なバランス」を保っていると高官がCoinDeskに語った。
- この1年で、ドバイの仮想資産規制庁(VARA)はOKX、Crypto.com、バイナンスなどの主要な暗号資産取引所に完全な認可を与えている。
ドバイの仮想資産規制庁(VARA)は、暗号資産(仮想通貨)関連の申請者に対するライセンス交付にかかる時間について、適切なバランスを保っていると考えていると、同庁の上級職員であるショーン・マクヒュー(Sean McHugh)氏が10月15日にCoinDeskとのインタビューで語った。同氏は容易に認可を与える暗号資産規制当局であるという認識に異議を唱えた。
ドバイは、アラブ首長国連邦(UAE)の7つの首長国の中で最も人口が多く、シンガポールや香港などとともに「グローバルな暗号資産ハブ」の地位を争うアジアの小規模な管轄区域のひとつだ。そのブランディングにおけるVARAの役割は、アブダビ・グローバル・マーケット(ADGM)など、同国の他の規制当局とともに極めて重要だと言える。
「これは『ゴルディロックスと3匹のクマ』の話に似ている」と、VARAの市場保証担当シニアディレクターであるマクヒュー氏は述べた。「申請者は手続きが遅すぎると考えることが多いようだ。また、外部の人々は手続きが早すぎると考えるかもしれない。しかし、それらの人々は必ずしも我々のターゲットではない。我々は、熱すぎず、冷たすぎず、ちょうどよいバランスを保っていると考えている」。
このおとぎ話のメッセージは「ゴルディロックスの原理」と呼ばれ、「ちょうど良い」という考え方を表している。
この1年で、VARAはOKX、Crypto.com、バイナンス(Binance)などの主要な暗号資産取引所に完全な規制承認を与えた。
VARAは、暗号資産関連の事業体が必要なライセンスを取得できるまでの平均的な期間については言及していない。しかし、少なくとも2つの主要な取引所の代表者は、これらのライセンスの取得には調整のために数カ月を要したとCoinDeskに語った。
今月初め、VARAは暗号資産のマーケティングに関する規則を更新し、その後、必要なライセンスなしに運営していた7つの「事業体」に罰金を科した。
「我々の焦点は、責任あるライセンス付与、監督、マネーロンダリングやテロ資金調達防止に関するコンプライアンス、顧客保護にある」とマクヒュー氏は述べた。
ドバイで開催された「Future Blockchain Summit」の合間にCoinDeskの取材に応じたマクヒュー氏はさらに、このようなイベントにより多くの大手伝統的金融機関がまもなく姿を見せるようになるだろうとも述べた。
「エコシステムへの関心の高まりは、2年後、3年後には、このようなイベントにスーツ姿の参加者が増え、ブラックロック(BlackRock)、ゴールドマン・サックス(Goldman Sachs)、JPモルガン(JPMorgan)などの幹部が参加するようになり、この分野が制度化されることを示唆している」と彼は述べた。マクヒュー氏は、ゴールドマン・サックス、シティバンク(Citi Bank)、フィデリティ(Fidelity)、シタデル(Citadel)で勤務した経験がある。
|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:Shutterstock
|原文:Dubai’s VARA Has Struck Correct Balance in Licensing Time Frame, Says Senior Official