- ビットコイン・ドミナンスは58.91%のサイクル最高値に達した。これは2021年4月以来の水準。
- ビットコイン・ドミナンス上昇の主要因はイーサリアムの相対的な不振にある。
暗号資産(仮想通貨)市場は16日、ビットコイン(BTC)を筆頭に上昇を続け、1週間の上昇率は12%を超え、一時、7月下旬以来となる6万8000円超えとなった。市場ベンチマークのCoinDesk 20 Indexは、9%上昇。
ビットコインの「ドミナンス」、つまり暗号資産市場全体の時価総額に占める割合は、10月初めの57.13%から58.91%に上昇。これは、TradingViewのTOTALによると、サイクル最高値で、2021年4月以来の水準。暗号資産市場全体の時価総額は2兆2810億ドル、ビットコインを除くと9400億ドル。
ビットコイン・ドミナンスは、2020〜2021年の強気相場で、一時70%以上まで上昇したが、2021年半ばには40%まで低下した。ドミナンスは1年以上にわたってその水準付近で推移したが、2022年後半に暗号資産取引所FTXの崩壊とともに底を打った。その後、着実な上昇が始まり、現在まで続いている。
イーサリアム/ビットコイン・レシオ
ビットコイン・ドミナンス上昇の背景には、時価総額第2位の暗号資産であるイーサリアム(ETH)の相対的な下落がある。現在のイーサリアム/ビットコイン・レシオは約0.03850、2021年4月以来の最低水準。
2022年6月のサイクル底からのイーサリアム/ビットコイン・レシオを詳しく見てみると、弱含みの安値が続いている。2016〜2019年、2019〜2022年といった過去のサイクルでは、当時のサイクル底から少なくとも200%上昇していた。しかし、現在の比率は2022年6月のサイクル底から25%も下回っており、イーサリアムのパフォーマンスがビットコインを下回っていることを浮き彫りにしている。
イーサリアムは今サイクルの過去23カ月のうち、わずか7カ月だけビットコインを上回った。直近で、イーサリアムが相対的にビットコインを上回った月は2024年5月まで遡る。
|翻訳・編集:CoinDesk JAPAN編集部
|画像:イーサリアム/ビットコイン・レシオの月次推移(Glassnode)
|原文:Bitcoin Tops $68K, With Dominance Over Crypto Market Hitting New Cycle High