トランプ氏支援のワールド・リバティ・ファイナンシャル、初日のトークン販売目標の4%しか達成できず
  • このプロジェクトは現在までに1100万ドルを調達しているが、3億ドルの目標には程遠い。
  • トークンは譲渡不可能であり、これが投機的な投資家を遠ざけた可能性がある。
  • トランプ氏のXでのプロジェクト発表は、トークン販売の顕著な増加につながらなかった。

トランプ一家が支援する金融プラットフォームのワールド・リバティ・ファイナンシャル(World Liberty Financial)は、話題性が高く、共和党の大統領候補ドナルド・トランプ(Donald Trump)氏が発表したにもかかわらず、販売開始から24時間で予定されていたトークン販売目標のわずか4%しか達成できなかった。

協定世界時(UTC)15日12時40分に静かに始まって以来、目標の200億枚のうち、7億9236万枚をやや上回る量のトークンが販売された。プロジェクトは約1100万ドル(約17億円、1ドル150円換算)を調達した。

CoinDeskが最初に報じた通り、最初の1時間で何度もサイトがダウンしたにもかかわらず、約2900人の投資家がトークンを購入した。ワールド・リバティ・ファイナンシャルのWLFIトークンはこの時間に3億4400万枚以上、約3000のウォレットに対して販売された。Etherscanのデータによると、それ以降、プロジェクトはさらに6000の保有者を獲得している。

トランプ氏のXでのトークン販売発表の後、1億8000万枚以上の追加のトークン購入があったが、急増にはつながらなかった。

16日時点でトークン価格は0.015ドルであり、サイトのデータ分析によると、保有者の購入金額は平均して1000ドル未満。プロジェクト関連のイーサリアムウォレットは、800万ドル以上のイーサリアム(ETH)と300万ドル相当の他のトークン(主にステーブルコイン)を保有している。

ミームコインやホワイトペーパーがトークン提供後数時間で数百万ドルを調達できることが多いこの業界では、プロジェクトのスタートは失敗だと言える。報道によると、このプロジェクトは15億ドルの評価額で3億ドルを調達することを目指していた。

関心が低い一因は、トークン自体の性質かもしれない。WLFIトークンは、プラットフォームの譲渡不可能なガバナンストークンとして機能し、ユーザーは借入・貸付・流動性プール作成などの分散型金融(DeFi)活動に参加できる。

これは、ユーザーがトークン価格をめぐる投機を行ったり、将来的に高値で投資家に売却したりできないことを意味し、投資としての見通しを暗くしている。

ワールド・リバティ・ファイナンシャルは、トランプ氏が11月に当選した場合、アメリカをビットコインと暗号資産(仮想通貨)の世界的な中心地にすると誓った選挙活動の一環だ。

トレーダーらはおおむね、あまり暗号資産に友好的と見なされていない民主党のカマラ・ハリス(Kamala Harris)氏と比較するとトランプ氏の勝利は業界にとって強気材料だと見ている。現在、トランプ氏は大統領選において僅差で優勢であり、ポリマーケット(Polymarket)はトランプ氏の勝算を59%、ハリス氏を40%としている。

|翻訳・編集:林理南
|画像:Danny Nelson/CoinDesk
|原文:Donald Trump-Supported World Liberty Financial Raises Just 4% of Token Sale Target on First Day