ビットコイン、米大統領選前に7万ドルに迫る──未決済建玉は記録的な6兆円規模
  • ビットコイン(BTC)価格は24時間で1.5%上昇し、先物未決済残高が大幅に増加したことから、市場への資金流入が続いていることが示された。
  • 暗号資産(仮想通貨)市場は、投機的な取引やAIをテーマにしたミームコインなどのテーマ別投資に後押しされ、ソラナ(SOL)やその他の主要コインが値上がりし、幅広い上昇が見られた。
  • 暗号資産トレーダーは、ドナルド・トランプ(Donald Trump)氏が勝利した場合の規制改革への期待から、選挙によって暗号資産にとって好ましい結果が出ると賭けている。

ビットコインは現地時間10月21日、米国大統領選挙に基づく強気なセンチメントが暗号資産トレーダーの間で勢いを増し、7万ドル(約1088万円、1ドル=149円換算)に迫った。

CoinDeskのデータによると、ビットコインは本記事執筆時点で過去24時間に1.5%上昇し、現地時間10月20日を通して着実に上昇した。データのある全ての主要取引所における米ドル建てビットコイン先物の未決済建玉は、週末に406億3000万ドル(約6兆円)を超え、史上最高となった。

トークンベースでは、未決済建玉は59万2000ビットコインで、弱気相場がピークを迎えた2022年12月以来の高水準となった。

(CoinGlass)

現金証拠金未決済建玉は先週、史上最高値を更新し、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)で提供される先物が全体の40%を占め、110億ドル(約1.6兆円)を超えた。

未決済建玉とは、未決済の先物取引を指し、市場に新たな資金が流入していることを示す。価格上昇に伴うこの指標の上昇は、値上り傾向を裏付けるものだ。

「直近の6.8万ドル(約1013億円)の突破は、過去6セッションで約24億ドル(約3576億円)の新規のビットコイン流入を伴い、それに応じてビットコイン先物の未決済建玉が急上昇した。これは、新しいロングが確立されている前向きな指標である」と、暗号資産管理会社SOFAのインサイト責任者であるオーガスティン・ファン(Augustine Fan)氏は現地時間10月21日のテレグラムメッセージでCoinDeskに対して述べた。

一方、CryptoQuantが追跡する未決済建玉ベースの比率は、ビットコイン価格が2000ドル(約30万円)上昇したため、0.20から0.21に急上昇しており、資産に対するレバレッジベットの増加を示している。

レバレッジの上昇はリスク許容度の増加を示しており、今後数週間で市場のボラティリティと清算の増加につながる可能性がある。

より広範な市場ラリー

ビットコインの急上昇は、暗号資産市場全体の価格上昇につながった。

ソラナは、投機的なミームコインの熱狂がネットワークに戻ったため、7%超の上昇。なお、今回は人工知能がテーマとなっている。また、イーサリアム(ETH)、カルダノ(ADA)、バイナンスコイン(BNB)、エックス・アール・ピー(XRP)は最大4%上昇し、主要なミームコインであるドージコイン(DOGE)とシバイヌコイン(SHIB)は3%上昇した。

エイプコイン(APE)は、本記事執筆時点で過去24時間に21%上昇し、中型銘柄の中で市場の成長をリードし、ネイティブブロックチェーンネットワークエイプチェーン(ApeChain)のデビューを歓迎した。トレーダーの間では、新しいネットワークでトークンが発行されるにつれてエイプコインの使用が増加する可能性があると予想されているが、安定した長期的な使用となるかはまだ未知数である。

米国大統領選挙に注目

現地時間11月5日に予定されている米国大統領選挙に注目が集まっており、トレーダーは今後数日間で相場が上昇すると予想している。

ポリマーケット(Polymarket)の賭け手は、共和党のドナルド・トランプ氏に60%のオッズを付け、民主党のカマラ・ハリス(Kamala Harris)氏に39%のオッズを付けている。

「米国の選挙結果に注目が集まる中、暗号資産にとって最も好ましい結果は、トランプ氏の勝利と共和党の(下院と上院の)制覇であり、トランプ・ヴァンスのコンビが支持するデジタル資産改革計画が議会を通過する現実的な可能性を持つことだ」とSOFAのファン氏はCoinDeskに語った。

シンガポールを拠点とするQCPキャピタルのトレーダー陣は週末の放送で、日本と中国のマクロ経済要因と米国の選挙が相まって、ビットコイン価格が上昇すると述べている。

「日本では、インフレは依然として弱く、総合インフレ率は3.0%から2.5%に低下している」とQCPのトレーダーは放送で述べた。 「市場の予想では、日銀が近いうちに金利を引き上げる可能性は低く、現在150を下回っている米ドル/円の上昇につながっている。

「一方、中国は、経済成長の回復と住宅市場の暴落阻止を目的とした措置の一環として、中央銀行が9月末に金利を引き下げた後、基準貸出金利を引き下げた」と同トレーダーは述べた。

「米国株は史上最高値に近づき、日本円は新たな弱気傾向にあるため、米国大統領選挙が近づくにつれてリスクオンのセンチメントは強まるばかりだ。これによりリスク資産が上昇し、アップトーバー(伝統的に値上がりが多い10月のことを指す)のストーリーがサポートされるだろう」と、ビットコインの歴史的に強気な10月の季節性に言及して、同メモは締めくくられた。

|翻訳・編集:T.Minamoto
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|原文:Bitcoin Nears $70K Amid Record Open Interest at $40B as Trump-Harris Election Nears