ビットコイン、6万7000ドルを割り込む──またしても上昇に失敗か

ビットコイン(BTC)は21日、アジア取引時間の早朝に7万ドルの水準への挑戦に失敗した後、米国取引時間の午前に6万7000ドルを割り込んだ。

最近、ビットコインの価格は過去24時間で2.3%下落し、広範な市場のベンチマークであるCoinDesk 20 Index(CD20)の同期間中の1%の損失を上回る下落幅となった。イーサリアム(ETH)も1%近く下落し、ライトコイン(LTC)、ポルカドット(DOT)、インターネットコンピューター(ICP)は4~5%の下落で損失を主導した。

注目すべきアウトパフォーマーはソラナ(SOL)で、2.4%上昇し163ドルとなったが、前週末の高値170ドルからは依然として下落している。

ビットコインマイニング関連銘柄も苦戦を強いられたが、例外的だったのはテラウルフ(WULF)で、同社は最近、人工知能(AI)データセンターの動力源となるハイパフォーマンス・コンピューティングに軸足を移した。テラウルフは21日に12%上昇した。

今日の動きのきっかけとなった可能性のあるものを調べるには、最近の価格動向を見るだけで十分だ。ビットコインは11日前に6万ドルをわずかに下回る水準まで下落して以来、ほぼ連続的に上昇しており、ある時点で緩やかな反転が必ず起こると予測されていた。また、21日には西側諸国全体で金利が急上昇し、米国の10年国債利回りとドイツ10年国債利回りはともに10ベーシスポイント上昇した。他の条件が同じであれば、金利の上昇はリスク資産の価格に圧力をかけることが多く、ビットコインもその1つだ。

もう少し視野を広げると、ビットコインは今のところ、7カ月以上前に7万3700ドルの最高値を記録して以来、横ばいから下降の価格帯を維持している。今日まで、直近で7万ドルの水準に挑戦したのは7月下旬だった。この挑戦も失敗に終わり、ビットコインは数日後に5万2000ドル未満まで下落した。

今後の予想

「6万6000ドルで一掃され、ハイヤーロー(higher low、安値が直近の安値より高くなること)を形成するのは不合理ではないだろう。おそらく次のチャンスはそこだろう」とよく知られたアナリスト、Skew氏はXの投稿で述べた

今週予定されている米上場企業の四半期決算報告が、株式市場における投資家のリスク選好度を低下させる可能性があると、暗号資産(仮想通貨)取引企業Wincentは指摘。その結果、資産クラス間の強い相関関係によって暗号資産にも影響が及ぶ可能性があるとしている。

Wincentの広報担当者はテレグラム(Telegram)のメッセージで「ビットコインの最近のパフォーマンスと米国の決算発表週が、リスクオフ心理を強めていることを考えると、今週はリスク回避の週だ」とした上で、「今週は短期的な反落が予想され、その後は、米国の選挙に向けて上昇と史上最高値更新の可能性に警戒する必要がある」と述べた。

|翻訳・編集:廣瀬優香
|画像:10月21日のビットコイン価格(CoinDesk)
|原文:Bitcoin Pulls Back Below $67K; Is Another Crypto Rally Failing?