ビットコイン・マイニング大手「ビットメイン(Bitmain)」の経営が混乱している。同社は全スタッフに共同創業者でエグゼクティブ・ディレクターのミクリー・ザン・ケチュアン(Micree Zhan Ketuan)氏を解任したとメールで知らせた。
もう1人の共同創業者で、現在、取締役会の会長を務めるジーハン・ウー(Jihan Wu)氏は2019年10月29日(現地時間)正午頃、全スタッフに「重要な知らせ」と題したメールを送った。
「ビットメインの共同創業者、会長、法定代理人でエグゼクティブ・ディレクターのジーハン・ウーはケチュアン・ザンの全役職を即座に解く決定を行った。ビットメインのスタッフはもはや誰もザンからのいかなる指示も受けず、ザンが主催するいかなる会議にも参加しない。この状況に基づき、ビットメインはこの注意事項に違反した人物の雇用契約を終了する可能性がある」
同社スタッフの1人は匿名を条件に、CoinDeskが入手した社内メールの内容が本物であることを認め、2018年後半のレイオフを引き合いに出しつつ、12月17日の(レイオフの)バージョン2.0のようなものと語った。
また同社に詳しい別の情報筋によると、ビットメインは緊急の全社ミーティングを開催した。
ビットメインの広報担当者は現時点で、この件に関してコメントすることはないと語った。
メールが送られる前の29日朝には、ビットメインは政府機関への登録申請において企業構造を変更していたというニュースが伝えられた。変更後の新たな申請によると、ウー氏はザン氏からビットメインのエグゼクティブ・ディレクターと法定代理人の役割を引き継いだ。
いかにしてビットメインの取締役会は突然の決定に至ったのか、あるいはザン氏が保有する株式は買い取られたのかどうかは定かではない。
ビットメインがIPO申請を行った2018年9月、ザン氏はビットメインの株式の36%を保有する大株主だった。一方、ウー氏は20%を保有していた。
ウー氏とザン氏はともにビットメインの共同CEOを務めていたが、IPOに失敗したため、2019年3月、その職を辞任していた。
翻訳:CoinDesk Japan編集部
編集:増田隆幸
写真:Jihan Wu image via CoinDesk
原文:Bitmain Turmoil: Co-Founder and Executive Director Micree Zhan Ousted