ソラナ、対イーサリアムで過去最高値を更新──AIミームコインの熱狂と収益増が上昇を後押し
  • ソラナは、ネットワークのアクティビティが活況を呈するなか、イーサリアムやビットコインを上回るパフォーマンスを見せている。
  • 最新のミームコイントレンド(AIエージェントがトークンを宣伝し、投資する)は、ソラナに集中している。
  • ソラナ先物の建玉は、この4日間で約300万SOL、5億600万ドル(約760億円)相当増加した。

暗号資産(仮想通貨)市場は10月初めの安値から上昇した後、調整局面に入っているが、ソラナ(SOL)は主要暗号資産に対して上昇している。

ソラナは、市場ベンチマークのCoinDesk 20 Indexの構成銘柄において、過去1週間で11%上昇し、最も高いパフォーマンスを示した。一方、他の銘柄はほぼすべて下落し、ビットコイン(BTC)は2.5下落、イーサリアム(ETH)は3.5%下落した。

ソラナは22日、TradingViewのデータによると、対イーサリアムで過去最高値を更新、8月に初めて記録した0.064を超えた。また対ビットコインでも最高値を2カ月以上ぶりに更新した。

[ソラナのビットコイン、イーサリアムに対する価格パフォーマンス:CoinDesk Indices]

ソラナの上昇は、ミームコインへの投機的な動きの再燃、ネットワーク収益の大幅な増加、関連するデリバティブ商品への強気投資の増加と並行している。

ミームコインの熱狂

ソラナは、ミームコインへの投機熱の再燃から大きな恩恵を受けており、そうした動きのほとんどはソラナ基盤のDeFi(分散型金融)プロトコルを中心としている。AI(人工知能)エージェントがミームコインを買い集めるという最近のトレンドも主にソラナ・ネットワークに集中している。

代表例は、ゴートセウス・マキシマス(Goatseus Maximus:GOAT)だ。著名投資家のマーク・アンドリーセン氏が出資するAIボット「トゥルース・ターミナル(Truth Terminal)」がソーシャルメディアで大々的に宣伝したことで、わずか2週間で時価総額がゼロから6億ドル以上に上昇した。GOATは、ミームコイン作成プラットフォームのPump.funを使って、匿名の開発者によって10月10日に作成された。

「AI、ミームコイン、暗号資産の交差点から、ひとつのストーリーが生まれた」とK33 ResearchのDeFiアナリスト、デビッド・ジマーマン(David Zimmerman)氏は23日のレポートで述べた。

「AI ミームコインは、この2週間で大きな注目を集め、多くのトークンが1億ドル以上の時価総額に達している」

こうしたミームコインの熱狂により、ソラナ上のアクティビティは大幅に増加している。取引手数料によるネットワーク収益は22日、1日あたり400万ドルを超えて3月の記録に迫り、9月初めの低水準から10倍に増加した(Token Terminalのデータ)。アクティブユーザー数は800万人を超える記録的な水準に達している。

[ソラナのオンチェーン・アクティビティ:Token Terminal]

収益の増加はトークンのインフレ抑制にもつながり、Blockworksのデータによると、新たに発行されたトークンの15%以上が破棄、つまりバーンされている。

建玉が急増

ソラナ先物の建玉は1800万SOL、30億9000万ドル(4640億円)に達し、CoinGlassによると、想定元本としては2023年1月以来の最高水準となった。過去4日間だけで、建玉は300万SOL、5億600万ドル(約760億円)相当増加した。

建玉は、新しい資金が市場に流入しているかどうかを判断する方法のひとつ。建玉の増加は、市場のボラティリティを高める可能性があり、価格が一方的に変動すると、ショートまたはロングの清算が大量に行われる可能性がある。

永久先物の資金調達金利は年率10%で、これはロングトレーダーがポジションを維持するためにショートトレーダーに支払うコストを表す。つまり、ほとんどの投資はロングであり、価格のさらなる上昇を予想していることを示している。

|翻訳・編集:CoinDesk JAPAN編集部
|画像:ソラナの価格推移(CoinDesk)
|原文:Solana Hits Record vs. Ether, Outperforms Bitcoin as AI Memecoin Frenzy and Surging Revenues Fuel Rally