- Wiredは、ビットコインの創設者サトシ・ナカモト氏の数十億ドルの財産を持っていると信じる人からの金銭的要求や潜在的な脅威が押し寄せたことでピーター・トッド氏が潜伏しており、そのような主張が公に行われることによる現実世界での危険性が浮き彫りになったと報じた。
- しかし、トッド氏はWiredの主張を「誇張されている」とツイートし、その証拠として今週行われたある会議に自身が登壇したことを示した。
- カレン・ホバック氏による最近放映されたドキュメンタリーは、トッド氏がナカモト氏である可能性を示唆したが、トッド氏はこれを否定している。
話題を集めたが酷評されたHBOのドキュメンタリー「Money Electric: The Bitcoin Mystery」でビットコインネットワークの匿名の創設者サトシ・ナカモト(Satoshi Nakamoto)氏であるとされたビットコイン開発者のピーター・トッド(Peter Todd)氏が「潜伏した」とWiredが22日に報じた。
トッド氏本人は23日にX(旧Twitter)で、記事の主張は「誇張されている」と投稿し、その日アトランタで行われた会議で自身が話している写真を引用ツイートした。
The recent Wired article claiming I'm "in hiding" was quite the exaggeration… https://t.co/pQEtUG9K1H
— Peter Todd (@peterktodd) October 23, 2024
トッド氏は、以前Qアノン陰謀論の背後にいる人物を特定したカレン・ホバック(Cullen Hoback)氏によるドキュメンタリーでナカモト氏として名指しされた。しかし、トッド氏はCoinDeskへのメールでナカモト氏であることを否定した。
ホバック氏が、カナダ人であるトッド氏をナカモト氏とする証拠として挙げたのは、若い頃から暗号学に興味を持っていたこと、実際にナカモト氏にメールを送った人物であるアダム・バック(Adam Back)氏との関係、技術的能力、そしてナカモト氏が使用するイギリス式/カナダ式のスペルだった。
ドキュメンタリーでは、2010年の公開フォーラムでのやり取りが最も強い手掛かりとして提示された。そこではトッド氏が謎めいたビットコイン創設者としてではなく自分自身として誤って投稿に返信したように(ホバック氏には)見え、ミスの可能性が示唆された。ホバック氏はこれをトッド氏がナカモトである可能性の証拠と位置付けたが、ドキュメンタリーは決定的な主張をするには至らなかった。
ビットコインコミュニティはホバック氏が発見したことをおおむね軽く流している。しかしホバック氏はWiredに対し、依然としてトッド氏がナカモト氏だと確信していると述べた。
しかし、この主張には現実世界への深刻な影響がある。トッド氏はWiredに対し、自分のメールアドレスには金銭的支援を求める要求が殺到していると述べたが、「狂った人々による継続的な嫌がらせ」の脅威もある。
犯罪者がトッド氏をナカモト氏だと信じる可能性もあるため、個人的な安全はトッド氏にとって懸念事項だ。ナカモト氏に属するウォレットには100万BTC以上があり、直近価格では670億ドル(約10兆円、1ドル150円換算)以上の価値がある。これにより、身元不明の人物であるナカモト氏が世界の富裕層上位25位のリストに入ることになる。
トッド氏はWiredに対し、「普通の財産を持つ普通の人を非常に裕福だと誤って主張することは、強盗や誘拐などの脅威にさらすということだ」と指摘し、「その質問は愚かであるだけでなく危険でもある。サトシは明らかに、正当な理由で見つかることを望んでいなかったのであり、サトシを見つけようとする人を手助けすべきではない」と述べた。
|翻訳・編集:林理南
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|原文:Peter Todd Says Even Reports of His ‘Going Into Hiding’ Are Exaggerated