- ベージュブックと呼ばれる地区連銀経済報告は、11月と12月にFRBが0.25%の利下げを実施するとの期待を後押しした。
- ベージュブックの発表後、ドル指数の上昇は失速し、BTCの回復への道筋ができた。
ビットコイン(BTC)は、水曜日に発表されたアメリカ連邦準備制度理事会(FRB)の地区連銀経済報告(ベージュブック)で、アメリカ全体の経済状況について控えめな見通しが示されたことを受け、6万7000ドルを回復した。これにより、今後数カ月のさらなる利下げの可能性が高まった。
最新の報告では、12の地区連銀のうち9行が、9月初旬以降の経済活動は停滞またはやや低迷していると報告している。ほとんどの地区で製造業活動の低下が見られ、消費者需要にもやや減速の兆しが見られた。
ほとんどの地区で小売価格がわずかに、あるいは小幅に上昇したため、インフレや生活費は引き続き緩やかに推移した。雇用は若干増加したが、新規雇用は主に増員よりも欠員補充に重点が置かれた。一方で、複数の地区では賃金上昇の鈍化が指摘されている。
全体として、景気の低迷は予想を上回る9月の雇用統計と相反しており、FRBによる追加利下げの余地を広げている。
ビットコインは、一夜にして5万3500ドルを下回る最安値から回復し、記事執筆時点で約1%高の6万7100ドルで取引されている。一方、ドル指数(DXY)の上昇は失速している。データソースのTradingViewによると、指数は一夜にして104.57の高値から104.30まで下落している。
「ベージュブックのコメントは市場の注目を集め、11月に25ベーシスポイントの追加利下げが行われ、12月にも利下げが行われる可能性が高いという見方を強固なものにした。その後、ドルは全面安に転じた」とフォレックスライブ(ForexLive)はブログ記事で指摘した。
ジェローム・パウエル(Jerome Powell)議長を含む複数のFRB高官は、9月に基準金利を50ベーシスポイント引き下げて4.75%~5%の範囲に設定した理由の一つとして、ベージュブックの厳しい見通しを挙げた。
市場は、年内にさらに75ベーシスポイントの緩和を織り込む動きを見せた。しかし、そうした期待は、9月の雇用統計が明るい内容であったことや、予想を上回るインフレ率の報告により、打ち砕かれた。
|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:CoinDesk/TradingView
|原文:Bitcoin Retakes $67K, Dollar Index Rally Stalls as Beige Book Supports Fed Rate Cuts