- ビットコインの難易度は、史上最高の95.67テラハッシュ(T)に達し、これは初めて700エクサハッシュ/秒(EH/s)を超えた記録的なハッシュレートの動きと一致している。
- 難易度の3.9%上昇は、2024年の13回目のプラス調整にあたる。
- 365日単純移動平均をマイナーの総収益が上回ると、ビットコインの強気相場と重なるのが通例である。
ビットコイン(BTC)のマイニング難易度は、現地時間10月22日に3.9%上昇し、史上最高の95.67テラハッシュ(T)に達したと、グラスノード(Glassnode)のデータで示された。
マイニング難易度は、ビットコインで新しいブロックをマイニングするのがどれほど難しいかの尺度となる。これまでのところ、2024年には22回の難易度調整があり、そのうち13回がプラスだった。その結果、難易度は72Tから92Tに跳ね上がり、今年に入ってから27%増加した。
ビットコインのネットワークは2016ブロックごとに、つまり約2週間ごとに自動的に調整を行い、平均して10分ごとにブロックがマイニングされるようになっている。
難易度の急上昇は記録的なハッシュレートの動きと一致しており、ハッシュレートも700エクサハッシュ/秒(EH/s)を超える史上最高を記録した。ハッシュレートは、プルーフオブワークブロックチェーン上で取引のマイニングや処理に必要な合計の計算能力である。
難易度が上がると、マイニング業界は利益を上げるのが難しくなるため、さらなる圧力に直面することになる。したがって、より効率的なマイニング設備に投資するためにより多くの計算能力が必要になることで、運用コストが増加する。
弱いマイナーが排除される
4月の半減期以来、ビットコインへの下押し圧力の一部は、利益を上げていないマイナーが保有資産を売却したことによるものだ。これらのマイナー、主に小規模な民間マイナーは、コストの上昇により自立できなくなった。半減期後、これらのマイナーはネットワークから離脱し始め、ハッシュレートが 15% 減少するか、運営費を賄うためにビットコインを売り始めた。
グラスノードのデータを見ると、今年はマイナーの残高が減少していることがわかる。これは、弱小マイナーが半減期が近づいていることを見越して、競合より優位に立つために運営資金を調達しようとしていたためだ。
2023 年 11 月から 2024 年 7 月にかけて、マイナーのウォレットから 30000 以上のビットコインが出ていった。これは、マイナーから流れた期間としては過去最長の記録である。しかし、7 月以降、マイナーの残高は比較的横ばいで蓄積の兆候が見られ、残りのマイナーは均してみれば新しい局面にも対処できることがわかる。
マイニング業界は引き続き大規模なプレイヤーへの統合が進み、上場マイナーが約30%という記録的なシェアによる支配を誇っている。
ビットコインの強気相場が間もなく始まる
ビットコインの強気相場とマイナーの増益は重なる。価格が上昇すると、マイニング収益も上昇する。グラスノードのデータによると、7 日移動平均 (7-DMA) では、ドルベースのマイニング収益は合計で 3500 万ドル(約53億円、1ドル=151円換算)を超えており、9 月の安値から 1000 万ドル(約15億円)以上増えている。
4 月の半減期以降、マイニング収益は 365日単純移動平均 (SMA) を下回っており、現在は 4000 万ドル(約60億円)となっている。歴史的には、マイナーの総収益がこの移動平均を上回ると、ビットコインの強気相場と重なることが分かっている。
|翻訳・編集:T.Minamoto
|画像:Glassnode
|原文:Bitcoin Mining Difficulty Hits All-Time High as Mining Revenue Rises; Signals Upcoming Bull Run