ビットコインクジラの数が増加──2021年1月以来最高に
  • クジラ(大口の保有者)の数の急増は、最高値更新に向けたラリーを裏付ける材料となる。
  • CryptoQuantによると、小口投資家の買い越しは最近減速している。

ビットコイン(BTC)の大口保有者の数が再び増加しており、価格が新たな最高値を更新するとの見方が強まっている。

ビットワイズ(Bitwise)のヨーロッパ担当ディレクター兼リサーチ責任者アンドレ・ドラゴッシュ(André Dragosch)氏とグラスノード(Glassnode)が追跡しているデータによると、少なくとも1000BTCを所有するいわゆる「クジラ」あるいはネットワークエンティティの数は、今週初めに1678に急増し、2021年1月以来の高水準に達した。

大口保有者による保有高の増加と、代替手段、特にアメリカの現物ETF(上場投資信託)への堅調な需要の高まりは、ビットコインの価格見通しに対する信頼感が高まっていることを示唆している。

クジラとは、少なくとも1000BTCを保有する単一のネットワーク参加者が所有する暗号資産(仮想通貨)ウォレットアドレスと定義される。クジラの活動は、流動性と価格に影響を与える能力があるため、厳重に監視されている。

一方、小口投資家の買い増しは減速しており、分析会社CryptoQuantによると、ビットコインの価格は7万ドルに迫っている。

「小口投資家の保有高は過去30日間でわずか1000ビットコイン増加しており、これは歴史的に見ても遅いペースだ」と、CryptoQuantのアナリストはCoinDeskに語った。

「2024年が始まってから、大口投資家(1000ビットコインから1万ビットコインを保有する投資家)の保有高は、小口投資家の保有高よりも速いペースで増加している。今日現在、小口投資家の保有高は3万ビットコイン増加しているのに対し、他の大口投資家の保有高は17万3000ビットコイン増加している」とアナリストは付け加えている。

ビットコインは、記事執筆時点で6万7000ドルをわずかに上回る価格で取引されており、7万3800ドルの過去最高値を更新するにはあと10%ほど足りない。10月21日には一時的に6万9000ドルを上回る価格をつけたが、その後勢いは失われ、おそらくドル指数と国債利回りの継続的な上昇が原因で下落した。

一部のアナリストは、利回りの上昇がリスク資産に長期的な重荷となることはないと確信しており、BTCの抵抗が最も少ない経路は上昇側にあると予測している。有力な暗号資産取引所であるデリビット(Deribit)のオプション取引では、年内に注目すべき水準として8万ドルと10万ドルが挙げられている。

|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:Shutterstock
|原文:Number of Bitcoin Whales Jumps to Highest Since January 2021