トランプ氏が米大統領選で勝利する確率が米国時間23日、一時的に59%まで下落した。トランプ氏の勝利に賭ける「イエス」シェアを2番目に多く保有する人物が、対立候補のハリス氏にも賭けたためだ。
Theo4は、トランプ氏勝利に賭ける「イエス」シェアを1200万シェア保有しており、Fredi9999に次ぐNo.2のトランプ氏強気派となっている。こうした大口投資家の取引は、この1週間、市場ウォッチャーやメディアの監視の的となっている(一部の市場ウォッチャーは、この2つのアカウントと他の3つのアカウントは、米国以外の同じ個人またはグループによって管理されているのではないかと推測している)。
だが米国時間23日午後、Theo4はトランプ氏勝利への「ノー」シェアと、ハリス氏勝利への「イエス」シェアを大量購入した。その後、トランプ氏勝利への「イエス」の購入も再開した。
各シェアは、予想が当たれば1ドルがUSDコイン(USDC)で支払われる。外れた場合は、何もない。1シェアの価格は、候補者の当選(「イエス」シェアの場合)、あるいは落選(「ノー」シェアの場合)の可能性に対する市場の評価を反映している。
トランプ氏のオッズ(勝算)は、Theo4が異例の取引を行う前の65%から取引後には59%まで下落したが、その後64%まで回復した。当記事執筆時点では63%。
ブロックチェーンベースの予測市場「ポリマーケット(Polymarket)」のクジラ(大口のシェア保有者)の取引を詳細に追跡しているベテランの予測市場トレーダー、フリップ・ピドット(Flip Pidot)氏は、短期的な下落はTheo4が原因とXに投稿した。
You can see he pushed prices down by about 2 cents and then self-btfd'ed. pic.twitter.com/fuA4FYLPUy
— The Super Model (@TheSuper_Model) October 23, 2024
彼が価格を2セント押し下げ、その後、自分でBTFD(下落を捉えて買い増し)したことがわかる。
奇妙な動きはオッズの操作か
ここ数日、大手メディアや(しばしばハリス氏支持派の)ソーシャルメディア投稿者たちは、トランプ氏支持派がポリマーケットを操作し、同氏のオッズを実際よりも高く見せていると述べている。そうした主張は、Fredi9999、Theo4などのトランプ・クジラ(トランプ氏勝利のシェアを大量保有する人たち)による大量購入に触れている。
一方、賭け市場を支持する人たちは、こうした市場を歪めようとする者の行動は、確かな情報を持つトレーダーが利益を得る機会を生むことになると反論している。
米商品先物取引委員会(CFTC)との和解で、ポリマーケットは米国のトレーダーの利用を禁止したが、多くの人たちはVPNを利用して、利用規制を回避している。ブルームバーグは今週、匿名の情報筋の話を引用して、ポリマーケットは米国のユーザーが利用できないように新たな措置を講じていると報じたが、記事ではその詳細は明らかにされていない。
CFTCは、監督下にあるプラットフォームでの選挙にまつわる賭けを阻止しようとしており、そうした行為に対する規則を提案し、予測市場カルシ(Kalsi)と法廷で争ったが敗訴した。
政治を対象にした賭けは、2024年の大きなトレンドになっており、ポリマーケットは米大統領選の賭けで23億ドルの取引高を記録している。
|翻訳・編集:CoinDesk JAPAN編集部
|画像:Shutterstock
|原文:Trump Polymarket Odds Briefly Dip After His No. 2 Bull Adds Bet on Harris