- JPモルガンは、トークン化された国債が完全にステーブルコインに取って代わることはないと述べた。
- ステーブルコインは証券として分類されないため、規制上の優位性があるとレポートで指摘した。
- 同行は、ステーブルコインの流動性はトークン化された国債よりもはるかに高いと述べた。
JPモルガン(JPMorgan)は24日の調査レポートで、トークン化された国債が完全にステーブルコインに取って代わる可能性は低いと述べた。
レポートによると、時間の経過とともにトークン化された国債がステーブルコイン内の未使用の現金の大部分を置き換えることは「考えられる」としている。
しかし、同行はステーブルコインの完全な置き換えは起こりそうにないと述べた。トークン化された国債が証券として分類されるため、規制上不利な立場にあるためだ。これ、トークン化された国債がステーブルコインよりも多くの制限を受け、より広範な暗号資産(仮想通貨)エコシステムにおける担保としての使用が制限されることを意味する。
レポートはまた、ステーブルコイン内の「遊休現金」の量を計算することは難しいが、それが「ステーブルコインの世界の大部分を占める」可能性は低いと述べた。この理由から、世界最大の資産運用会社ブラックロック(BlackRock)のBUIDLのようなトークン化された国債は、ステーブルコイン市場の小規模な部分しか置き換えないだろうと指摘した。
JPモルガンは、流動性に関してステーブルコインが現在トークン化された国債に対して大きな優位性を持っていると指摘した。多くのブロックチェーンと中央集権型取引所(CEX)にわたって合計1800億ドル(約27兆円、1ドル150円換算)近い市場を持つステーブルコインは、大規模な取引でも低いトランザクション(取引)手数料を提供している。
ニコラオス・パニギルツォグロウ(Nikolaos Panigirtzoglou)氏率いるアナリストらは、「この深い流動性がシームレスな取引を支えている」と述べた。
一方、トークン化された国債の流動性ははるかに低いと同行は指摘し、この不利な点は商品の求心力が高まるにつれて時間とともに軽減される可能性があると述べた。
|翻訳・編集:林理南
|画像:Shutterstock
|原文:Tokenized Treasuries Like Blackrock’s BUIDL Will Challenge Stablecoins But Won’t Fully Replace Them: JPMorgan