中国国営メディア、仮想通貨への熱狂の沈静化を図る

中国国営放送は、ブロックチェーンがもたらす「機会をつかむ」という習国家主席の発言が引き起こした仮想通貨株への熱狂を鎮めようとしている。

政府系の報道機関は、ブロックチェーン企業やフィンテック企業への投機が急増している中、「冷静な」投資を促す報道を続けている。ロイターが10月29日(現地時間)に報じた

28日、ブロックチェーンに関連する、あるいはわずかでも関係がある100社以上のフィンテック企業の株価は、同分野への市場心理が強気に転じたことにより、市場のオープンとともに価格が急騰した。だが、おそらく上昇しすぎだろう。

「ブロックチェーンの未来はここにある。だが我々は冷静でいなければならない」と28日夜、中国共産党の機関紙「人民日報」は記した。

「ブロックチェーン技術のイノベーションは仮想通貨に投機すべきということを意味しない」

週末、中国中央電視台が伝えた発言を繰り返しつつ、人民日報は以下のように続けた。

「ブロックチェーン技術の台頭は仮想通貨の台頭によって起こった。だがブロックチェーン技術のイノベーションは仮想通貨に投機すべきということを意味しない」

また、上海証券取引所は投資家に「いかなるブロックチェーン関連(の話題)について、我々は上場企業に事実に基づいた発言を行い、大げさな主張や悪意のある誇大広告を行わないことを求めている」と注意喚起したとロイターは報じた。

この大騒ぎの上に、500以上のエンタープライズ・ブロックチェーン・プロジェクトがすでに中国で進行中で、この1年間に登録を済ませているというニュースも熱狂を呼んだ。

習国家主席がもたらした仮想通貨への熱狂は中国だけに留まらない。29日朝、カリブ海にあるアンティグア・バーブーダに拠点を置くデリバティブ取引所「FTX」は8つの中国系仮想通貨からなるインデックスファンドを発表した。

翻訳:石田麻衣子
編集:T.Minamoto
写真:Chinese stocks image via Shutterstock
原文:Chinese State-Owned Media Try to Dampen Market’s Crypto Enthusiasm