中国テンセント、ブロックチェーンベースの国際的インボイス規格策定を主導

ウィーチャット(WeChat)の親会社で中国のインターネット大手テンセント(Tencent)は、中国の税務当局からブロックチェーンベースのインボイス規格の草案作成を承認された。

グローバル・タイムズ(Global Times)が報じたように、テンセントのブロックチェーン・インボイスプロジェクトは、国際電気通信連合(ITU)において通信分野の標準策定を担当する「電気通信標準化部門(ITU-T)」が10月29日に開催した電子インボイスに関する国際会議で、英国、スイス、スウェーデン、ブラジルを含む複数の国、並びに中華人民共和国国家税務総局(China’s State Administration of Taxation)により支援された。

もともとは深圳での税金詐欺対策イニシアティブであったが、事業報告の透明性を提供するべくブロックチェーン技術を活用するテンセントの取り組みは昨年発表されたものだ

標準化への取り組みでは、テンセントと共に中国情報通信研究院(The China Academy of Information and Communications Technology)と
深圳市税務局(Shenzhen Taxation Bureau)が最初の草案に加わっており、テンセント及び関連企業は主張するには、これがブロックチェーン・ビジネス・アプリケーションの実現に向けた前進の一歩だという。

ブロックチェーンベースのインボイスは、通常、許可された当事者間の商取引に関する情報を集計・配布する。

中国電子技術標準化研究所(China Electronics Standardization Institute)でブロックチェーン研究のディレクターを務めるリ・ミン(Li Ming)氏は、グローバルタイムズに対し、規格を策定する動きは、ブロックチェーン技術のビジネスアプリケーションの重要性を示していると述べた。

「電子インボイスは現在、ブロックチェーン・アプリケーション[調査]やトライアルに適した分野であり、これが次に技術の開発を促進する可能性がある」

この規格草案の発表は、中国発のブロックチェーン関連ニュースが押し寄せた直後に行われた。

習近平国家主席は先週、共産党の有権者に対し、政府はブロックチェーンの実施に関してトップダウン方式のアプローチを開始し、幅広いユースケースにこの技術を採用することを目指していると述べた。一方、中国中央銀行の当局者は10月28日、デジタル金融アプリケーションへのブロックチェーン適用について調査するよう商業銀行に対し求めた

この技術のより興味深いユースケースとして、中国共産党は、党員が忠誠を誓い、それを全員で見ることができる分散型アプリ(dapp)を発表したばかりである。

翻訳:新井朝子
編集:T.Minamoto
写真:Tencent image via Shutterstock
原文:Tencent to Lead Drafting of International Blockchain-Based Invoice Standards