ドージコインが10%急騰、トランプ人気でアウトパフォーム──ビットコインは7万ドルに迫る

ビットコイン(BTC)は28日に3カ月ぶりの高値を付け、7万ドルの水準に近づき、昨年3月に付けた史上最高値の7万3700ドルまで約5%以内に迫った。

ビットコインは過去24時間で3%上昇し、6万9800ドルで取引された。一方、20の大型トークンのパフォーマンスを追跡するCoinDesk 20 Index(CD20)は、同期間中に1%の小幅な上昇にとどまった。イーサリアム(ETH)は0.5%上昇したが、ポリゴン(POL)、ニアプロトコル(NEAR)、ヘデラ(HBAR)はCD20の足を引っ張った。

広く停滞するアルトコイン市場をものともせず、日中10%急騰したのはドージコイン(DOGE)だった。このトークンは、28日にドナルド・トランプ(Donald Trump)氏の選挙集会で言及されたことでトレーダーの注目を集めた。

ミームコインのなかで時価総額が最大かつ最も歴史ある犬をテーマにした暗号資産(仮想通貨)のドージコインは、最近トランプ氏と密接に関係している。これは、共和党の大統領候補トランプ氏の選挙運動への関与を強めているイーロン・マスク(Elon Musk)氏が、米国政府の支出を抑制することに焦点を当てた「政府効率化省(略称D.O.G.E.)」を提案したことが発端だ。

マスク氏がトランプ氏の集会に参加した後、DOGEアバターを使った自身のミーム画像をツイートしたことで、興奮はさらに高まった。

暗号資産取引業Wincentのシニアディレクター、ポール・ハワード(Paul Howard)氏はテレグラム(Telegram)のメッセージで「トランプ氏の人気を利用したものだ」と述べたうえで、「ドージコインはイーロン・マスク氏から支持されているおかげで、今や米大統領選挙の結果と密接に結びついている」と付け加えた。

ブロックチェーンベースの予測市場ポリマーケット(Polymarket)のベッターたちは、来週の米大統領選挙でトランプ氏が勝利する確率を現在66%近くに見積もっており、1週間前の61%から上昇している。

暗号資産の動きは、米国株価指数が高値で取引を終えるなかで起こった。ダウ平均は0.7%上昇、ナスダックとS&P500はそれぞれ0.3%上昇した。イスラエルの対イラン空爆が石油施設を攻撃せず、中東情勢激化の懸念が和らいだことから、原油価格は5%を超える下落となった。

ビットコインの状況は2020年後半を反映

資産運用会社VanEckのリサーチ責任者、マシュー・シゲル(Matthew Sigel)氏によると、ビットコインの現在の状況は2020年後半の史上最高値への大きな上昇に似ているため、この先さらに上昇する可能性がある。

「これは選挙に向けたビットコインの非常に強気な状況だ」とシゲル氏は28日、CNBCのインタビューで語った。

「2020年にも、ビットコインはボラティリティが低く価格が停滞し、選挙の勝者が発表されると、新たな買い手が参入してボラティリティが高まるなかで価格が上昇するというまったく同じパターンが見られた」

ビットコインは2020年11月の選挙から年末にかけて約120%急騰した。

|翻訳・編集:廣瀬優香
|画像:10月28日のドージコイン価格(CoinDesk)
|原文:Dogecoin Jumps 10%, Outperforming on Trump Popularity as Bitcoin Nears $70K