エモリー大学、ビットコインETFの波に乗る──グレイスケールのETF1600万ドル保有を報告
  • エモリー大学がグレイスケールのビットコイン・ミニ・トラストとコインベース株の保有量を開示した。
  • 同大学は、現物ビットコインETFに投資した最初の基金となった模様だ。

アトランタを拠点とするエモリー大学(Emory University)が、ビットコイン(BTC)に注目する機関投資家に加わっていたことが明らかになった。

同大学は、25日に米証券取引委員会(SEC)に提出した書類で、グレイスケール・ビットコイン・ミニ・トラスト(BTC)を1500万ドル(約22億5000万円、1ドル150円換算)以上保有していることを開示した。トップETFアナリストによると、基金がビットコインへのエクスポージャーを公に報告したのは今回の発表が初めてだという。

エモリー大学は、暗号資産(仮想通貨)取引所コインベース(Coinbase)の株式4312株を保有していることも報告した。価値としては本記事執筆時点で92万2639ドル(約1億3840万円)に上る。最新の年次報告書によると、同大学の総資産は2023年8月時点で210億ドル(約3兆1500億円)。

基金とは、病院や教会、大学などの非営利組織に資金を提供するために設立されるもの。ブルームバーグ・インテリジェンスのシニアETFアナリストであるエリック・バルチュナス(Eric Balchunas)氏によると、これまでビットコインETFのポジションを公に報告した基金は他にないようだ。

年金ファンドと同様に、基金は投資に対してリスク回避的なアプローチを好むため、エモリー大学のビットコインETFへの資金配分は注目に値する。

ウィスコンシン州の年金ファンドなど、以前からビットコインETFの保有量を報告している年金ファンドもある。さらに、ニュージャージー州ジャージーシティの地方年金ファンドは、資産の2%をETFに割り当てると発表した。

グレイスケールのミニ・ビットコイン・トラストは、同社の主力であるビットコイン・トラスト(GBTC)が比較的高い1.5%の手数料により大量の資産流出に見舞われたことを受けて、競合商品よりもかなり遅れてローンチされた。遅いスタートにもかかわらず、ミニ・ビットコイン・トラストは急速に成功を収め、ブルームバーグのデータでは現在約23億ドル(約3450億円)相当ビットコインを保有して運用資産額で6位につけている。

CoinDeskは以前、ビットコインに投資している大学について報じており、ハーバード大学、イェール大学、ブラウン大学がコインベースから直接ビットコインを購入している。これらの大学の中には、2019年から暗号資産取引所の口座を持っているところもある。

|翻訳・編集:林理南
|画像:Shutterstock
|原文:Emory University Joins Bitcoin ETF Rush, Reporting $16M Holding in Grayscale Vehicle