- ドージコイン先物への関心は4月以来、史上最高に近づいており、10月27日以降、建玉残高は33%増加し、現在は80億トークンとなっている。
- トレーダーたちは、この価格変動はドナルド・トランプ氏の人気と「政府効率化省（D.O.G.E）」の設立の可能性によるものだと考えている。
- イーロン・マスク氏が政府効率化のためにD.O.G.E.を創設することについて議論したことと、トランプ氏が再選された場合、マスク氏を政府効率委員会に起用するとの公約を組み合わせたことが、トレーダーたちの強気な見方を後押ししている。
ドージコイン（DOGE）の先物取引への関心が急速に高まり、4月の記録的な水準に近づいている。これは、ドージコインの略称がドナルド・トランプ（Donald Trump）共和党候補の政権の一組織になる可能性への関心によるものだ。
CoinGeckoのデータによると、DOGEの価格はイーロン・マスク（Elon Musk）氏がトランプ氏の集会に出席し、その後、XにDOGEアバターの画像を投稿したことを受け、過去24時間で15%上昇した。トレーダーたちは、この価格急騰を「トランプ氏の人気」によるものだとしている。
DOGE建ての先物は、10月27日から33%上昇し、29日のヨーロッパ時間の朝には80億トークンに達した。これは、90億という建玉残高の過去最高記録まであと12%だ。
CoinGlassのデータによると、ステーブルコインの観点ではDOGEへの賭けは8億5000万ドル（約1275億円、1ドル=150円換算）から13億ドル（約1950億円）に急騰したことが示されている。
建玉（Open interest）は、先物やオプションなどの未決済の契約の総数を指す。高い建玉残高は、特定の資産に大きな関心が寄せられていることを示す。価格の上昇に伴い建玉残高が増加する場合は、新たな資金が市場に流入していることを示し、トレンドの強さを示す。
トークンにおける建玉残高の増加は、特に契約満期が近づくとボラティリティの増加につながる可能性がある。トレーダーはポジションをクローズしたり、ロールオーバーしたり、ポジションを調整したりする動きを急ぐ可能性があり、それが大幅な価格変動につながる可能性がある。
マスク氏はここ数カ月の間、寄付や支持を拡大することでトランプ氏との距離を縮めてきた。さまざまなトークショーで、彼は政府支出の効率化を目指し、「D.O.G.E.」という略称の「政府効率化省（Department of Government Efficiency）」の創設について語っている。
BBCによると、トランプ氏は、アメリカ大統領に再選された場合、マスク氏を「政府効率委員会」の運営に起用するつもりだと述べた。
一部のトレーダーは、この話を短期的な強気材料として捉えている。
「イーロンは『政府効率化省』というアイデアを現実のものとし、それをDOGEと何らかの形で結びつけることができる」と、影響力のあるXアカウントであるtheunipcs氏はCoinDeskにメッセージで語った。「もし来週の選挙後にトランプ氏の勝利が決まれば、私はドージコインと『政府効率化省』のイーサリアム・ミームコインがさらに放物線を描くような動きを見せると予想する。なぜなら、その省が設立されることが確実になるからだ」。
「トランプ氏の勝利から大統領就任まで、また、そのような部署が実際に設置されるまでには、数カ月の遅れが生じる可能性が高い。そして、それは確かな取引機会を提供するだろう」とtheunipcs氏は付け加えた。このトレーダーは、D.O.G.E.の取引理論を公に述べた最初の人物の一人だ。
DOGEの価格は、D.O.G.E.取引がトレーダーの間で関心を集めていることをCoinDeskが最初に報道して以来、30%以上上昇している。
｜翻訳：CoinDesk JAPAN
｜編集：井上俊彦
｜画像：Atsuko Sato
｜原文：Dogecoin Bets Spike to $1.3B as Trump Popularity Sees DOGE Rocket 15%
