カナダの仮想通貨取引所、クアドリガCX(QuadrigaCX)の創設者が暗号キーを社内で共有せずに死亡し、投資家たちが1億9000万米ドル(約209億円)相当の資産が引き出せなくなった問題で、インド・ラジャスターン(Rajasthan) 州政府が、創設者のジェラルド・コットン(Gerald Cotten)氏の死亡を確認したことが分かった。
CoinDeskが入手したラジャスターン州経済統計局発行の死亡証明書によると、コットン氏が死亡したのは2018年12月9日で、コットン氏の妻、ジェニファー・ロバートソン(Jennifer Robertson)氏が同月12日にカナダ・ノバスコシア州の裁判所に提出した死亡届けに記載された日付と一致した。
死亡証明書は同月13日に発行され、「Gerald William Cotten」の死亡を証明し、同氏の妻「Robertson」の名が記載されている。
コットン氏の死亡は、取引所クアドリガCXから顧客たちが総額200億円を超える資産を引き出せないという事態を引き起こした。同取引所は2019年1月下旬からオフラインとなり、ノバスコシア州の裁判所に債権者保護(破産保護)を申請している。
同取引所がコットン氏の死亡を開示したのは、死亡から1カ月以上が経過してからで、顧客や市場関係者の間では、同氏の死亡報告を疑う声が聞かれた。クアドリガCXは1月中旬、クローン病を患うコットン氏が、インドを旅行中に死亡したと発表していた。
その後、同取引所は、コットン氏が保管する資産の暗号キーを一元的に管理していたため、1億米ドル相当の仮想通貨を払い戻すことができないと発表。一方、妻のロバートソン氏は、裁判所に提出した書類の中で、コットン氏のノートパソコンを持っているが、パスワードロックがされているため開くことができないと述べている。
コットン氏の死亡報告を巡っては、ソーシャルメディアを通じて、あらゆる憶測が流れた。死亡したと偽って、資産を持ち逃げしたのではないかとも噂された。死亡証明書によると、同氏が死亡した場所は、ラジャスターン州ジャイプル市(Jaipur)のフォーティス・エスコーツ病院(Fortis Escorts Hospital)だった。CoinDeskは、フォーティス・エスコーツ病院への取材を試みたが、コメントは得られていない。
翻訳:CoinDesk Japan編集部
編集:佐藤茂、浦上早苗
写真:Canada flag image via Shutterstock
原文:Government Death Certificate Says QuadrigaCX CEO Died in India