- イーサリアムはビットコインに対する最近の不振傾向に逆行し、過去24時間で2.5%上昇した一方、ビットコインはわずかに下落。
- デリバティブ取引所では、イーサリアムに対する1700万ドル(約26億円、1ドル153円換算)相当のショートベット(下落への賭け)が清算された。
- イーサリアムの市場シェア低下に対するネガティブなセンチメントが続けば、ショートスクイーズにつながる可能性がある。
イーサリアム(ETH)は、ここ数カ月間ビットコイン(BTC)に対して著しく不振に陥った後、価格上昇の時期を迎える可能性がある。懐疑論者は、レイヤー2ネットワークの出現により、イーサリアムはDeFi(分散型金融)投資家の間で人気を失ったと主張しているが、データは異なるストーリーを物語っている。
その動きは今日始まったのだろうか?そうかもしれないし、そうではないかもしれないが、CoinDeskのデータによると、ビットコイン価格の非常に緩やかな下落に対し、イーサリアムは過去24時間で2.5%上昇。同時に、イーサリアムの上昇により、デリバティブ取引所全体で1700万ドル(約26億円)相当のイーサリアムのショートベットが清算された。
今日まで、イーサリアムは6カ月間で10%を超える下落となったのに対し、ビットコインは22%上昇したため、ETH/BTCレシオは2021年4月以来の低水準となった。
イーサリアム自体は、8月上旬から同じ取引レンジで推移しており、現在の2700ドルの水準を超えることは、9月27日と10月21日に2度強く拒否された。その間、ビットコインは6万ドル割れから急騰し、昨日は3月につけた史上最高値の7万3800ドルをわずかに下回る水準を試した。イーサリアムは、2021年11月に記録した史上最高値よりも約2000ドル低い水準にとどまっている。
過去1カ月のイーサリアムの相対的な不振は、3220億ドル(約49兆2660億円)の時価総額を持つこの資産に対する弱気なセンチメントと失望を広げることにつながった。ネガティブなナラティブの背景にある1つの要因は、メインのイーサリアムネットワークから市場シェア、流動性、取引量を奪っているレイヤー2ネットワークの多さだ。
新規ウォレット数やトランザクション数など、いくつかの主要指標もそれぞれ減少傾向を続けている。これらの指標により、トレーダーがショートポジションを積み上げ、激しい「ショートスクイーズ」につながる可能性がある。
だが、DefiLlamaのデータによると、イーサリアムは依然として、すべてのDeFiネットワークとプロトコルのTVL(預かり資産)の55%を超える割合を占めており、その額は500億ドル(約7兆6500億円)を超えている。これは、資金がアルトコインに流入すると、イーサリアムが主要な受益者の1つになることを意味する。
|翻訳・編集:廣瀬優香
|画像:イーサリアム価格のチャート(TradingView)
|原文:Ether Gains 2.5%, Outperforming BTC and Maybe Primed for More Upside