米司法省が市場操作の容疑をかけた企業群で初めて有罪を認めたマイトレード
  • マイトレード(MyTrade)の創業者は、市場操作を含む罪状を認めるに至った。
  • 別企業のCLSグローバル(CLS Global)も告発されているが、同社は米国当局との「対話」を開始しようとしていると述べた。

米司法省は、暗号資産(仮想通貨)の「マーケットメーカー」であるマイトレードの運営者から有罪を認める言質を得たと発表した。同社は今月、市場操作の容疑をかけた複数の企業と個人を対象とする広範囲にわたる捜査の標的の1つであった。

同省によると、中国およびカナダ出身とされる39歳のリュウ・チョウ(Liu Zhou)氏は、来年初めに連邦裁判所で「複数の暗号資産取引所における顧客の暗号資産のウォッシュトレーディング」の罪で判決を受ける予定である。ウォッシュトレーディングとは、取引の関心のレベルを偽ることで資産価格を人為的に引き上げることを指す。

数週間前に公開された起訴状によると、Gotbit、CLS Global、ZM Quantも、実態に比べて合法的な活動を行っているように見せかけるため、さまざまなトークンをウォッシュトレードし、これらのトークンの一部を「人為的に高値で」他者に販売していたとされる。

司法省は、MyTrade MMとして一般に知られるチョウ氏の事業は、人々に対して自社が「自己取引(同時に買いと売り)」を行い、そのボリュームボットは「パンプアンドダンプ(価格を吊り上げる目的で虚偽の情報を流して売り抜ける)」を行うことができると伝えていた。同氏はまた、トークンから利益を上げるためには買い手に損失を出させる必要があるため、自社が「コミュニティにおける他の買い手、知らない相手や気にしない相手」を見つけようとしていると述べたとされる。

一方、別の企業であるCLS Globalは、米国当局に協力を申し出たと発表した。

「プロセスについて改善できる部分があるかもしれないことは認識しており、規制当局との建設的な対話に前向きだ」とフィリップ・ベセロフ(Filipp Veselov)最高経営責任者(CEO)は声明で述べ、同社が「米国の顧客、団体、ユーザー」との関わりを止めようとしていると発言した。

|翻訳・編集:T.Minamoto
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|原文:MyTrade Head First to Plead Guilty Among Group of Firms Accused of Gaming Markets