- フランクリン・テンプルトンの「オンチェーン米国政府マネー・マーケット・ファンド(FOBXX)」がコインベースのレイヤ−2ブロックチェーン「ベース」で取引可能となった。
- 資産運用会社がBase上で商品を展開するのは初めて。
- 運用資産残高4億1000万ドル(約630億円)にのぼる同ファンドは、他にステラをはじめとする5つのブロックチェーンで利用可能。
米資産運用大手フランクリン・テンプルトン(Franklin Templeton)は、同社の「オンチェーン米国政府マネー・マーケット・ファンド(OnChain U.S. Government Money Market Fund:FOBXX)」が、暗号資産(仮想通貨)取引所コインベース(Coinbase)が手がけるレイヤー2ブロックチェーン「Base」で利用可能になったと発表した。
Baseは、同ファンドが取引可能な6番目のブロックチェーンとなる。すでに、アービトラム(Arbitrum)、ポリゴン(Polygon)、アバランチ(Avalanche)、アプトス(Aptos)、ステラ(Stellar)で利用可能となっている。
「これは、大手資産運用会社がBase上で直接展開する初のケースであり、投資家や発行者に対して、今後起こることを明確に示すシグナルとなる」とコインベースのトークン化部門責任者アンソニー・バシリ(Anthony Bassili)氏は述べた。
2022年に稼働を開始したBaseは、コインベースの発展における大きな一歩であり、暗号資産取引にとどまらない新たな事業展開の幕開けとなった。同社の事業の中でも急速に成長している分野となり、2024年第3四半期(7-9月期)の取引高は第2四半期の55%増となった。
Baseは、イーサリアム・エコシステム内で最も人気の高いレイヤー2の1つ。L2Beatのデータによると、現在、TVL(Total Value Locked:預かり資産)は80億ドル(1兆2240億円、1ドル153円換算)超にのぼり、先行するライバルを追い越している。BaseのTVLを上回るのは、アービトラムのみだ。
レイヤー2は、イーサリアムのベースチェーンよりも高速かつ低コストで取引が実行でき、FOBXXのような商品を展開する際に、人気の選択肢となっている。
「フランクリン・テンプルトンのような金融機関は、金融システムを近代化するために、高速かつ低コストのオンチェーン技術をますます活用するようになっている」とバシリ氏は述べた。
2021年にローンチされたFOBXXは、取引と所有権の記録にパブリック・ブロックチェーンを使用した初のMMF(マネーマーケットファンド)。rwa.xyzによると、現在、市場で2番目に大きなトークン化ファンドであり、運用資産残高は4億1000万ドル(約627億円)にのぼる。
|翻訳・編集:CoinDesk JAPAN編集部
|画像:Danny Nelson/CoinDesk
|原文:Franklin Templeton Takes Its Tokenized Treasury Fund to Base, Becomes First Asset Manager on the Layer 2