- ドナルド・トランプ氏がアメリカ大統領選に勝利したことでビットコインが史上最高値を更新した。
- ソラナがイーサリアムを上回るパフォーマンスを続け、サイクル高値を更新した。
- 暗号資産の時価総額合計が2兆4500億ドルに達し、6月以来の最高水準を記録した。
共和党のドナルド・トランプ(Donald Trump)氏がアメリカ大統領選で勝利を確実にする見通しとなったことで、ビットコイン(BTC)は7万5000ドル(約1162万5000円、1ドル155円換算)を超える史上最高値まで急騰した。本記事執筆時点で、主要な暗号資産(仮想通貨)取引所では約7万4000ドルで取引されている。
この選挙結果は、ビットコインが3月の記録をブレイクするのに必要なニュースだった。アメリカ市場が開けば、ビットコインがさらなる高みに押し上げられる可能性がある。
暗号資産は、トランプ氏の勝利によって勝ち組となった最大の産業のうちの1つとなった。トレーディングビュー(TradingView)の「TOTAL」の指標によると、暗号資産の時価総額合計は2兆4500億ドル(379兆7500億円)に達し、6月以来の最高水準を記録した。
ETH/BTC比率が下落
イーサリアム(ETH)のビットコインに対する相対的な価格の強さを追跡する、広く注目されている比率が2021年4月以来の最低水準に落ち込み、イーサリアムに対する投資家の需要低下を示唆している。
イーサリアム/ビットコイン(ETH/BTC)の取引ペアは11月6日序盤に0.035を下回り、年初来の下落が34%以上に拡大した。比率と呼ばれることもあるが、イーサリアム/ビットコインは単に暗号資産取引所におけるイーサリアムのビットコインに対する取引ペアであり、1日あたりの取引高は数億ドルに上る。
イーサリアム/ビットコインの取引ペアの価格上昇はイーサリアムがビットコインを上回るパフォーマンスを示していることを意味し、下落はその逆だ。価格が上昇すると、トレーダーはイーサリアムの選好がよりリスクの高い資産やイーサリアムエコシステムへの賭けに有利だと考える。下落はビットコインやイーサリアム以外のブロックチェーンの選好を示している。
過去5年間で、この比率は0.02から2022年初頭に記録した0.08超えのピークまで上昇した。これは、当時イーサリアムの価値がビットコインに対して4倍になったことを意味する。比率はそれ以来、下降傾向にある。ビットコインが史上最高値を更新したにもかかわらず、イーサリアムは2021年以来の高値をブレイクできておらず、ピークから46%下落している。
マーケットウォッチ(MarketWatch)のデータによると、年初来でビットコインは投資家に75%以上のリターンをもたらしたのに対し、イーサリアム保有者のリターンは14%強にとどまっている。
さらに、ビットコインの時価総額は高値で1兆5000億ドル(約232兆5000億円)に迫りっており、イーサリアムとの差を広げ、パフォーマンスで上回り続けている。ビットコインとイーサリアムの時価総額の差は1兆1600億ドルで最大値を更新した。これは、イーサリアム/ビットコイン比率が安値を更新し続けているのと一致している。
ソラナも大きな勝者
ソラナ(SOL)もイーサリアムに対して強さを見せた。ソラナは過去24時間で10%上昇。こちらもイーサリアムに対して0.072の新たなサイクル高値を記録した。ソラナの時価総額シェアは3.70%に迫ったが、まだ史上最高水準を更新していない。
利益確定が続く
ビットコインは9月、10月、そして11月に入っても上昇を続けている。CoinDeskリサーチは過去1カ月間で多くの利益確定が行われていることを観察している。ビットコインが史上最高値を更新する中、CoinDeskは15億ドル(約2325億円)相当の顕著な量の利益確定を観察しており、これはビットコインが史上最高値からわずかに反落したことと一致している。
|翻訳・編集:林理南
|画像:TradingView
|原文:Bitcoin, Solana Hit New Cycle Highs Against Ether as Trump Edges Closer to U.S. Presidency