ビットコイン、7万6000ドルを史上初めて突破──約4億ドルのショートポジションが清算

ドナルド・トランプ氏の米大統領選勝利の後、暗号資産(仮想通貨)市場は米時間6日にさらに上昇を続け、ビットコイン(BTC)は史上初めて7万6000ドルを突破した。アメリカで暗号資産にとって、従来よりもはるかにフレンドリーな環境が登場するという楽観的な見通しを反映している。

ビットコインは米時間6日に7万6330ドルの新たな史上最高値を記録し、過去24時間で9.5%上昇した(日本時間7日7時40分頃には、やや下落して7万5680ドル付近)。

イーサリアム(ETH)も2700ドルに迫る勢いで上昇し、11%上昇。市場ベンチマークのCoinDesk 20 Index(CD20)は10.7%、分散型取引所ユニスワップ(UNI)、レイヤー1ブロックチェーンのソラナ(SOL)、分散型GPUレンダリングプラットフォームのレンダートークン(RNDR)が上昇をリードした。

市場の高騰によって、CoinGlassのデータによると、この日、すべての暗号資産において、レバレッジをかけたデリバティブ取引ポジションの清算が5億9200万ドルに達した。清算の大部分、約3億9000万ドルは、価格下落を予想したレバレッジショートによるもので、少なくとも過去6カ月で最大のショートスクイーズとなった。

暗号資産関連株も上昇し、暗号資産取引所コインベース(Coinbase)は31%上昇、ビットコイン・マイニング会社のライオット・プラットフォームズ(Riot Platforms)、テラウルフ(TeraWulf)、クリーンスパーク(CleanSpark)も20〜25%上昇した。ナスダックとS&P500は、それぞれ3%、2.5%上昇した。

ブロックチェーンベースの予測市場ポリマーケット(Polymarket)では、共和党が上下両院を制すると予測されており、実現すれば、暗号資産業界にとってさらに強気な見通しとなると関係者は見ている。

「業界にとって、これ以上良い選挙結果は考えられず、今後数カ月〜数四半期にかけて、重要な規制改革への期待が高まるだろう」と暗号資産プライムブローカーFalconXのリサーチ部門責任者デビッド・ローアント(David Lawant)氏は6日のレポートで述べた。

「このような明確さは、主要な暗号資産をカバーし、より広範な暗号資産インデックスも対象とし得る、さらなる暗号資産ETFの登場の可能性を広げる。また、米国でのトークン発行に対する起業家や投資家の安心感も大きくなる」と述べた。

だが同氏は一方で、短期的なリスクを警告し、例えば「退任する当局者による土壇場の強硬措置」の可能性を指摘した。

ビットコインの新たな史上最高値は、暗号資産投資家の忍耐力を試した8カ月にわたる苦しい調整局面からの決定的な脱却を意味する。アナリストらは、主要暗号資産にはさらに上昇余地があるかもしれないと述べている。

「選挙後のビットコインを見る限り、今後9~12カ月で全面的に上昇しない理由という言い訳や理由は考えられない」と、人気のクロス・アセット・トレーダーのボブ・ルーカス(Bob Loukas)氏はXに投稿した。

選挙が終わり、次に注目すべき重要なイベントは米時間7日(日本時間8日)に開催される連邦公開市場委員会(FOMC)となる。CME FedWatch Toolによると、市場参加者はほぼ一様にFRB(米連邦準備制度理事会)が基準金利でとなるFF金利を25ベーシスポイント(0.25%)引き下げると見ている。

|翻訳・編集:CoinDesk JAPAN編集部
|画像:CoinDesk
|原文:Bitcoin Blasts Past $76K for First Time as Violent Crypto Rally Liquidates Nearly $400M Shorts