国内暗号資産(仮想通貨)取引大手のSBIホールディングスとマネックスグループは、それぞれ2025年3月期第2四半期(2024年7月〜9月)の決算を発表した。
増収増益:SBIホールディングス
SBIホールディングスは11月8日、2025年3月期第2四半期(中間期:2024年4月〜9月)の連結決算を発表した。暗号資産事業の半期収益は303億2100万円(前年同期比88.7%増)を記録し、税引前利益は14億2500万円(同111.4%増)となった。
同社の暗号資産事業は、暗号資産の交換・取引サービスを提供するSBI VCトレードとビットポイント(BITPoint)を中心に展開している。
前四半期比で35.1%減:コインチェック(マネックス)
マネックスグループは10月28日に決算説明会を実施。取締役会議長兼代表執行役会長の松本大氏と取締役兼代表執行役社長CEOの清明祐子氏が登壇した。
同グループはクリプトアセットセグメントの業績推移について、決算説明資料に「暗号資産取引金額の減少およびIEO実施に伴う収益の剥落により当四半期の収益が減少。引き続き固定費を適正な水準に維持するも、当四半期はDe-SPAC(「SPAC:特別買収目的会社」が対象企業を特定し買収すること)上場に係る専門家報酬が増加したため減益」と記している。
営業収益は20億2000万円となり、前四半期比で35.1%減少した。同期間の暗号資産取引金額は551億円と、前四半期の730億円から減少している。De-SPAC関連の専門家報酬約6億円を計上したことにより、税引前利益は1億3100万円の損失となった。
暗号資産取引所コインチェック(Coincheck)の口座数は前四半期から4万口座増加し210万口座となり、業界内の口座数シェアは19%、預かり資産シェアは25%となっている。
決算説明会にて「コインチェックの 4〜6 月業績は厳しい状況だが、向こう 2 カ月以内に SPAC による想定バリュエーションが許容できる状況になるか」と問われた松本会長は「今の大きな実態があるコインチェックという会社を、ナスダック市場でトレーディングされている株をアクイジション・カレンシーとして使ってさらに成長させていく」と説明。
クリプトとブロックチェーンビジネスの今後の成長性をベースに、De-SPAC側からバリュエーションが提示されており、「足元の業績以上に今後どういうことをやっていくかのほうが重要な要素」と話した。
|文:栃山直樹
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