FRB利下げでビットコインは史上最高値を更新──パウエル議長、トランプ氏勝利は政策に「影響なし」

市場参加者が広く予想していた通り、米連邦準備制度理事会(FRB)は7日、ベンチマークとなるフェデラル・ファンド(FF)金利を25ベーシスポイント引き下げ、4.5%~4.75%とした。他の中央銀行に続いて金融緩和政策を行っている。

プレスリリースでは、「今年これ以前から、労働市場の状況は全般的に緩和しており、失業率は上昇したものの依然として低水準にある」「インフレは委員会の2%目標に向けて進展しているが、やや高止まりしている」と発表された。

イングランド銀行もこの日これ以前に25ベーシスポイントの利下げを行い、スウェーデンのリクスバンク(Riksbank)は主要金利を50ベーシスポイント引き下げた。

ドナルド・トランプ(Donald Trump)氏がアメリカ大統領選挙で決定的勝利を収めて以来初めて発言したジェローム・パウエル(Jerome Powell)FRB議長は、選挙結果は短期的なFRBの政策決定に「何の影響も与えない」と述べ、タカ派的サプライズへの懸念を払拭した。

次期大統領となるトランプ氏が提案する、経済成長を刺激するための減税や関税、規制緩和が再びインフレ圧力を高める可能性があり、FRBがより慎重なアプローチを取る可能性があると一部の観測筋は考えていた。

パウエル議長は、この日の緩和をもってしても金融政策は依然として引き締め的だが、FRBの9月の50ベーシスポイント利下げ以降、経済成長の下振れリスクは減少したと指摘。記者からの質問に対しては、トランプ氏に辞任を求められても辞任しないとし、自身の解雇や降格は法律上許されていないと述べた。

パウエル議長の発言を受け、ビットコイン(BTC)価格は7万6951ドル(約1193万円、1ドル155円換算)で史上最高値を更新。その後わずかに反落したが、過去24時間では依然として1.6%上昇している。市場のベンチマークであるCoinDesk 20 Index(CD20)は同期間に4.5%上昇し、ビットコインのパフォーマンスを上回った。アメリカの株式指数もこの日の高値を更新し、S&P500とハイテク株中心のナスダックはそれぞれ0.8%、1.5%上昇した。

CME FedWatchツールによると、FRBが12月の次回会合で金利を据え置く確率は、会合前の33%から28%に低下した。

|翻訳・編集:林理南
|画像:Senate Banking Committee
|原文:Fed Cuts Rates by 25 Basis Points, Bitcoin Price at Record as Powell Says Trump Win Has ‘No Effect’ on Policy