ビットコイン(BTC)は、ドナルド・トランプ氏が米大統領選で勝利したことによる暗号資産(仮想通貨)の楽観論を追い風に、米時間11月8日には史上初めて7万7000ドルを超え、史上最高値を更新した。
他の暗号資産も急騰している。イーサリアム(ETH)は、8月以来初めて3000ドルを突破している。
興味深いのは、反落はあるものの、ビットコインが11月6日(7万6400ドル)、11月7日(7万6900ドル)、11月8日(7万7200ドル)と史上最高値を更新し続けていることだ。金や米株式市場はどちらも、高値を更新した後、それを下回っている。
これは、現在の上昇相場のかなりの力強さと、上昇が継続する可能性が高いことを示している。
ビットコインのGoogle検索は低水準
ビットコインの上昇は、いくつかの要因から継続する可能性が高い。まず、Google検索における関心は、Google Trendsを見ると、依然として比較的低水準にとどまっている。例えば、過去の強気相場の2021年11月、2024年3月には検索数は大幅に増加した。ここ1週間で検索数が上昇し、一般的な関心が高まっているとはいえ、熱狂からは程遠い状況と言える。
利益確定売りは2017年の過去最高値を下回る
CoinDeskはここ数週間の利益確定売りをモニタリングしてきた。ビットコインが急騰するなかで投資家は利益確定しているのだろうか?
答えは、イエス。Glassnodeのデータによると、米大統領選翌日の米時間11月6日、ビットコインが6万8000ドルから7万6000ドルに急騰した際に、35億ドルの利益確定が行われた。一方、続く2日間の合計は32億ドルだった。
だが、この額は多額に思えるかもしれないが、過去の最高値と比較すると低水準。ビットコインが2021年の最高値をようやく上回った3月には、利益確定売りは100億ドルに膨れ上がった。2021年の強気相場全体を通して、利益確定売りは60億ドルに達した。
ビットコイン価格が2万ドル付近だった2017年には、46億ドル前後にも達していた。ビットコイン価格がはるかに高騰しているにもかかわらず、現在の利益確定売りはそれさえも上回っていない。
ビットコインは7カ月間、5〜7万ドルのレンジにとどまっていた。レンジを抜けたにもかかわらず、投資家はさらなる上昇を辛抱強く待っている。
インフレ調整後の最高値にはまだ届いていない
米労働統計局のインフレ計算ツール「CPI Inflation Calculator」を使うと、前年と比較して購買力がどれだけ失われたかがわかる。ビットコインの2021年11月の最高値である約6万9000ドルは、インフレ率で調整して、現在の米ドルの価値に換算すると約7万8000ドルとなる。現在の市場最高値は、この数字をまだわずかに下回っている。
投資家はインフレ調整後のビットコイン価格をより重視しているかもしれない。
|翻訳・編集:CoinDesk JAPAN編集部
|画像:Glassnode
|原文:Why Bitcoin Will Soar Above Its Fresh Record: Van Straten