第215特別国会が11日に招集され、首相指名選挙が行われる。与党は石破首相の指名を目指すが衆院選で過半数を割ったため、1回目の投票で過半数を得ることができず、30年ぶりの決選投票になると見られている。仮に野党が候補を1本化できれば政権交代となるが、その可能性は低い。
第2次石破内閣が誕生した場合、各紙の報道によると、暗号資産(仮想通貨)業界が期待を寄せる平将明デジタル大臣は再任となりそうだ。
米大統領選では、過去のスタンスを一変させて暗号資産フレンドリーな姿勢を打ち出したドナルド・トランプ氏が勝利。アメリカでは、暗号資産に関する規制の緩和・明確化への期待が高まり、ビットコイン(BTC)は週末に上昇して、7万9000ドルを超えた。日本円建てでは、1200万円の大台に乗せている。
日本でも、自民党デジタル社会推進本部web3プロジェクトチーム(PT)座長の平将明議員がデジタル大臣に就任したことで、さらなるWeb3推進、特にブロックチェーン技術を活用した地方創生に期待が寄せられている。
第2次石破内閣発足に合わせて、各党のデジタルやWeb3に詳しい議員をピックアップしてみた。
自由民主党
web3PTの座長と事務局長。平議員は第2次石破内閣でもデジタル大臣に再任の見通し。2人以外にも、web3PT前事務局長で厚労大臣政務官の塩崎彰久氏、日本銀行やフィンテック企業での経験を持つ内閣府大臣政務官の神田潤一氏が知られる。
平将明氏
1967年生まれ。早稲田大学法学部卒業後、1996年に家業の青果仲卸会社の社長に就任。2005年に衆議院議員初当選。経済産業大臣政務官、内閣府副大臣などを歴任。2021年にはデジタル庁設置を含むデジタル改革関連法案の成立に関与。2022年にはNFT政策検討PT座長としてNFTホワイトペーパーを作成。2023年には自民党デジタル社会推進本部web3PT座長を務める。現在はデジタル大臣、サイバー安全保障担当大臣、行政改革担当大臣、国家公務員制度担当大臣、規制改革担当大臣を務める。
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川崎ひでと氏
1981年生まれ。2006年から2017年までNTTドコモに勤務。その後、父である川崎二郎衆議院議員の事務所秘書を経て、2021年の衆院選で初当選。自民党では広報本部ネットメディア局次長、デジタル社会推進本部web3PT事務局長、デジタル人材育成PT事務局長などを務める。また、ブロックチェーン推進議員連盟事務局次長としても活動している。
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立憲民主党
最大野党・立憲民主党のデジタル政策PT座長と、野田「次の内閣」ネクストデジタル・行政改革・公務員改革担当大臣。
中谷一馬氏
1983年生まれ。IT企業・gumiの創業に執行役員として参画。デジタルハリウッド大学大学院にてMVPを受賞し首席で修了。DCM(デジタルコンテンツマネジメント)修士号の学位を取得。2017年衆院選で初当選。神奈川県議会議員時代には民主党神奈川県連IT戦略対策本部長を務め、現在は立憲民主党のデジタル政策PT座長を務めている。
牧山ひろえ氏
1964年生まれ。TBSのTVディレクターを経て、米国弁護士資格を取得。ワーナー・ブラザーズ・エンターテインメント、ユニバーサルミュージック、ソニー・ピクチャーズエンターテインメントなど、エンターテインメント業界の法務部門で国際的な経験を積む。2007年に参議院議員に初当選。立憲民主党では、教育におけるICT利活用促進をめざす議員連盟、情報通信議員連盟などに所属し、デジタル分野の政策にも取り組んでいる。2024年9月、同党の野田「次の内閣」においてネクストデジタル・行政改革・公務員改革担当大臣に就任。
日本維新の会
議席数を減らしたものの、第3党を占める。編集部が「デジタル政策に詳しい人物』と問い合わせたところ、藤巻健史の名前が上がった。
藤巻健史氏
1950年生まれ。モルガン銀行の東京支店長を経て、2013年に参議院議員初当選。暗号資産(仮想通貨)の税制改革を政策として掲げ、分離課税化やETF(上場投資信託)の導入を提唱した。2019年の参院選では比例代表で立候補し落選するも、同会所属の参議院議員の死去により2024年1月に繰り上げ当選。
国民民主党
大幅に議席を増やし、新たな第3極として注目を集める。代表の玉木氏は選挙期間中、暗号資産の税制改革を公約の1つにあげた。
玉木雄一郎氏
1969年生まれ。東京大学法学部卒業後、1993年に大蔵省入省。内閣府行革大臣秘書専門官などを歴任。2009年に衆議院議員に初当選。2018年から国民民主党代表を務める。暗号資産の分離課税20%への変更、暗号資産ETFの導入、Web3やNFTを活用したトークンエコノミーの支援など、具体的な税制改革と規制緩和を提案している。
|文:栃山直樹、増田隆幸
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