イーサリアムETFへの流入が過去最高──ビットコインは銀を抜き、8番目に大きな資産に
  • アメリカに上場されたイーサリアム現物ETFは、取引開始以来最大の純流入額を記録し、2億9600万ドル近くを追加した。
  • ビットコインは、銀を追い抜き、時価総額で第8位の資産となった。

11月11日、時価総額最大のトークンであるビットコイン(BTC)が9万ドルに迫る過去最高値を更新したことを受け、投資家らはアメリカの暗号通貨(仮想通貨)現物ETF(上場投資信託)に資金を投入した。

イーサリアム(ETH)のETFへの資金流入は2億9550万ドル(約443億2500万円、1ドル=150円換算)と過去最高を記録し、ブラックロック(BlackRock)のETHAとフィデリティ(Fidelity)のFETHはそれぞれ1億ドル(約150億円)の純増となったことが、ファーサイド・インベスターズ(Farside Investors)のデータから明らかになった。

ビットコイン現物ETFは、SoSoValueのデータによると、史上2番目に高い11億ドル(約1650億円)の純増を記録した。トークンの時価総額は1兆7800億ドル(約267兆円)に達し、銀(シルバー)を抜いて世界で8番目に時価総額の大きい資産となった。純流入の大半の7億6550万ドル(約1148億2500万円)がブラックロックのIBITに流れ込み、フィデリティのFBTCは1億3510万ドル(約202億6500万円)を得た。

「アメリカのビットコインETFの資産は現在840億ドル(約12兆6000億円)に達しており、これはゴールド(金)のETFの3分の2の水準だ。最初の誕生日を迎える前にゴールドETFを上回る可能性が十分にある(我々は3~4年かかると予測していた)」と、ブルームバーグ(Bloomberg)のシニアETFアナリストであるエリック・バルチュナス(Eric Blachunas)氏はXで述べた

この勢いは、純粋な暗号資産投資にとどまらなかった。BTCを最も多く保有する上場企業であるマイクロストラテジー(Microstrategy)の株価は、過去最高値を更新し、暗号資産取引所コインベース(Coinbase)の株価は、2021年11月以来初めて320ドルを突破した。

「ビットコイン産業複合体(ビットコインETFとマイクロストラテジー株、コインベース株)は、今日、380億ドル(約5兆7000億円)の取引高を記録し、IBITは45億ドル(約6750億円)を記録するなど、至るところで生涯最高記録が更新された。これは、今週は資金流入が堅調であることを示している。まさに狂気じみた一日だった。ヴォルマゲドン(Volmageddon)という名前がふさわしいほどだ」とバルチュナス氏は別の投稿で述べた

記事執筆時点では、ビットコインは8万7000ドル前後、イーサリアムは3300ドル前後で取引されている。

|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:Shutterstock
|原文:Ether ETF Inflows Hit Record, Bitcoin Inflows Soar as BTC Eyes $90K