機関投資家の57%が暗号資産への配分を増やす予定:シグナムが調査報告を発表
  • シグナムの調査に参加した機関投資家の57%が、強気相場の中で暗号資産の配分を増やす予定だ。
  • 回答者の65%が、ビットコインが最高値を更新する中、長期的に強気だと答えた。
  • 69%が規制の明確化を見込んでいるが、資産の変動性は依然として主要な懸念事項だ。

暗号資産(仮想通貨)の強気相場が続く中、良いニュースが次々と飛び込んできており、グローバルな暗号資産バンキンググループであるシグナム(Sygnum)の最新の年次調査も例外ではない。

11月14日に発表された調査結果では、機関投資家が暗号資産にさらに大きな賭けに出る準備ができていることが明らかになった。リスクを取る意欲の高まりと、この資産クラスに対する長期的な信頼感に後押しされ、57%という驚くべき数字の機関投資家が暗号資産へのエクスポージャーを拡大する計画を立てている。

この年次調査では、平均10年以上の経験を持ち、27カ国に広がる400以上の機関投資家およびプロの投資家から意見を収集した。

「このレポートは、進歩と計算されたリスク、機会を活用するための多様な戦略の使用、そして何よりも、伝統的な金融市場を再形成する市場の長期的な可能性に対する継続的な信念を物語っている」と、シグナム・デジタル資産リサーチ(Sygnum Digital Asset Research)のマネージャーであり、レポートの著者であるルーカス・シュヴァイガー(Lucas Schweiger)氏はプレスリリースで述べている。

楽観の波

調査回答者の65%が長期的に強気であり、63%が今後3~6カ月で暗号資産への配分を増やすことを検討している。

一方で、56%が1年以内に強気な見通しに変えると回答しており、ビットコイン(BTC)が最近史上最高値を更新したことで、すでに強気から楽観的な見方に転じた人もいるようだ。

BTCは7日間で20%以上上昇し、ドナルド・トランプ(Donald Trump)次期大統領が暗号資産業界に規制の明確性をもたらすのではないかという楽観的な見通しから、9万3000ドルを超えて史上最高値を更新した。年初来ベースでは、価格は110%以上上昇しており、1月にアメリカで現物ETF(上場投資信託)がデビューしたことで、投資家から数十億ドルの資金が流入した。

調査回答者の70%以上が、これらのETFによって資産クラスに対する信頼が高まったと回答している。また、30%近くが暗号資産投資は従来の投資よりも優れていると回答した。

優先される戦略

回答者の半数以上が、保有資産の10%以上を暗号資産に投資しており、46%近くが今後6カ月間で配分を増やすことを検討している一方で、36%は現状を維持し、最適な市場参入のタイミングを待つつもりのようだ。

複数の暗号資産に分散投資するのではなく、単一のトークンに投資する、つまり単一の暗号資産を購入して保有するという戦略が、回答者の44%に好まれている。次いで、アクティブ運用によるエクスポージャーが40%となっている。

レイヤー1のブロックチェーンは依然として最も関心が高い分野であり、Web3インフラストラクチャーと分散型金融(DeFi)が続いている。株式、社債、投資信託のトークン化は、2023年にトップだった不動産よりも現在では人気がある。

参入障壁

従来、厳格な受託者責任、投資運用義務、適切に規制された暗号資産のカストディアンへのアクセス制限が、デジタル資産へのエクスポージャーを求める投資家にとっての主な参入障壁となっていた。

しかし、回答者の69%が規制の明確化が進んだと認識していることから、資産のボラティリティが最大の懸念事項となり、セキュリティやカストディに関する不安がそれに続いている。

回答者の81%は、より良い情報にアクセスできれば、配分を増やすことを検討すると回答している。調査報告書はこのことが、焦点が規制問題だけでなく、市場特有のリスク、戦略的計画、テクノロジーの詳細な調査により当てられていることを示す兆候だと述べている。

|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:Shutterstock
|原文:Institutions Go All In on Crypto: Sygnum Survey Reveals 57% Respondents Plan to Boost Allocations