- マイケル・セイラー氏は、米国政府はビットコインを戦略的準備金とすべきであり、また、そうするだろうと考えている。
- シンシア・ルミス上院議員が提出した法案が成立すれば「21世紀最大の取引」となると同氏は述べた。
- また戦略的な備蓄というアイデアは新しいものではないとセイラー氏は指摘。米国政府は過去にも同様の動きを数多く行ってきたと述べた。
米国はビットコイン(BTC)を準備金(準備資産)とすべきというアイデアは、現時点では具体的な計画というよりも単なる思いつきに過ぎないが、ビットコインの大量保有で知られるマイクロストラテジーのCEO、マイケル・セイラー氏は、この提案は実現すべきであり、また、実現するだろうと考えている。
7月、大統領候補(当時)だったドナルド・トランプ氏は「Bitcoin 2024」カンファレンスで、暗号資産支持者の聴衆に対して、米国政府が保有する約20万ビットコインをそのまま保有し続けるつもりと述べた。
その後まもなく、共和党のシンシア・ルミス上院議員はさらに一歩踏み込み、今後5年間にわたって、100万ビットコインに達するまで、米国政府がビットコインを購入するという法案を提出した。
これは実現すれば「21世紀最大の取引」となると、セイラー氏は14日にマイアミで開催された「2024 Cantor Crypto, Digital Assets & AI Infrastructure Conference」のプレゼンテーションで述べた。
「ドル(ここでは資産の意味)を守るベストな方法は、借金を返済してリッチになることだ。次にベストな方法は、国債以外の資産を検討する者が現れた場合、それを所有することだ」とセイラー氏。そして、それは「ビットコインだ」と述べた。
米国政府が戦略的資産を購入するというアイデアは新しいものではないとセイラー氏は指摘し、19世紀のマンハッタン島、ルイジアナ、カリフォルニア、アラスカの購入を例にあげた。 いずれも米国に何兆ドルもの利益をもたらしたとし、さらに米国の歴史には金、石油、穀物、ヘリウムなど、戦略的購入が他にもあると続けた。
「以前にも行われていたことで、非常にシンプルなアイデアだ。つまり、価値がどこに向かうかを把握し、安く買って保有する。それが国家がやるべきこと。ビットコインは米国にとって明白な運命だ。トランプ政権は理解しているし、ルミス上院議員も理解していると思う。だからこそ実現するだろう」
ルミス上院議員の法案がそのまま可決されれば、米国は100万ビットコインの購入により16兆ドル(約2500兆円、1ドル154円換算)の利益を得られる可能性があるとセイラー氏は述べた。
セイラー氏はまた、米国が400万ビットコインを購入する「トランプ・マックス(Trump Max)」の可能性にも触れ、81兆ドル(1京2500兆円)の利益がもたらされる可能性があるとした。
トランプ・マックスは「合理的な方法」とセイラー氏は結論づけた。
|翻訳・編集:CoinDesk JAPAN編集部
|画像:マイケル・セイラーCEO(CoinDesk)
|原文:Strategic Bitcoin Reserve Has Precedent in Other Big U.S. Government Purchases: Michael Saylor