規制の明確化と技術的変更が予定されることにより、エックス・アール・ピー(XRP)の先物取引の伸びに拍車がかかった。16日には未決済建玉が記録的な高水準に達した。
17日時点で、XRP建てと米ドル建ての未決済建玉は記録的水準にあり、20億枚(現在価格で約20億ドル、1ドル155円換算で3100億円)以上の先物ポジションが、さらなる市場のボラティリティに賭けている。
ロング・ショートデータによると、トレーダーはわずかにショートに偏っており、51%がさらなる価格上昇を否定する賭けとなっている。(理論的には、各ロングトレードに対して常にショートトレードが存在するため、比率は常に50:50であるべきだ。しかしこのバイアスからは、24時間などの非常に短期間において賢明なトレーダーがどのようにポジションを取っているかについての洞察が得られる)
通常、未決済建玉と価格の両方が増加することは新たな資金が市場に流入していることを示し、強気のトレンドを示唆する。一方、価格は上昇するが未決済建玉が下落する場合、その上昇は新規の買いではなくショートカバーによって引き起こされている可能性があり、より弱いトレンドを示す可能性がある。
XRP価格は16日アメリカ時間午前中に1.20ドル(約186円)を超えた。週間ベースでは87%以上の上昇となり、3年間ぶりに高値を更新した。
XRPの価格上昇は14日遅くに始まった。きっかけは、アメリカの18の州が米証券取引委員会(SEC)とゲイリー・ゲンスラー(Gary Gensler)委員長を含む委員らを、暗号資産(仮想通貨)業界に対する違憲的な行き過ぎた規制を行ったとして訴えたことだった。
トレーダーの間での投機的な楽観論は、暗号資産に友好的なトランプ政権が、XRPに関連するリップル・ラボ(Ripple Labs)やユニスワップ(Uniswap)などのアメリカを拠点とする企業に関連するトークンに恩恵をもたらす可能性があるとするものだ。これらの企業は、規制上の逆風が止まったように見える中、トークン保有者の価値向上に力を入れているからだ。
さらに、XRPの将来の上昇を後押しする可能性のある重要なファンダメンタル的進展は、XRPの発行に密接に関連する企業リップル・ラボが発行予定のステーブルコインRLUSDだ。
以前の報道によれば、リップルは、自社の国境を越えた決済のための商品でRLUSDを使用することを計画している。流動性を提供し、より速くより安価なトランザクション(取引)を促進する予定で、さらに複数のブロックチェーンにまたがる様々な分散型金融(DeFi)プロトコルと統合する可能性もあるという。
XRPは過去24時間で、横ばいのビットコイン(BTC)や、暗号資産市場のベンチマークであるCoinDesk 20 Index(CD20)の2.7%上昇を上回るパフォーマンスを見せている。
|翻訳・編集:林理南
|画像:Kurt Cotoaga/Unsplash
|原文:XRP Sees Record Futures Bets Amid Price Surge Above $1.20