ガートナージャパンが発表した「日本におけるテクノロジのハイプ・サイクル:2019年」で、ブロックチェーン技術は“幻滅期”にあることが示された。
このハイプ・サイクルでは、日本のICT市場でITリーダーがデジタル・ビジネスを推進するに当たり重要な役割を担う、代表的な40のキーワード(テクノロジ、サービス、方法論、プラクティス、コンセプトなど)が取り上げられている。
ガートナーの「ハイプ・サイクル」とは
ハイプ・サイクルとはガートナーが生み出した、特定の技術の成熟度、採用度、社会への適用度を示す図のことで、ハイプとは「誇張」といった意味を持つ。“黎明期”から始まり、“「過度な期待」のピーク期”を経て、“幻滅期”、“啓蒙活動期”、“生産性の安定期”の順に推移する。
同社によれば、「テクノロジが登場した後の動きを視覚的に説明」したもので、それがハイプなのか実用可能か、投資を回収できるとしたら、それはいつになるのかを判断するのに役立てられる。今回のもの以外にも、いくつものハイプ・サイクルが発表されている。
「ブロックチェーンの春」が到来する
ガートナーが示した図によれば、ブロックチェーンとともに幻滅期にあるのは「人工知能」や「仮想アシスタント」「ロボティクス・プロセス・オートメーション」など。このほか「ウェアラブル・デバイス」などは幻滅期から啓蒙活動期に移ろうとしている。
またピークを迎え、やがて幻滅期に入ろうとしているのが、「5G」や「エッジ・コンピューティング」などだ。
ブロックチェーン・テクノロジーは、ハイプ・サイクルの幻滅期にあるが、ガートナーは「ブロックチェーンを構成する重要テクノロジの成熟とユースケースの進化に伴って『ブロックチェーンの春』が到来する」と指摘。そのうえで、「CIOは未来に備え、自社が本テクノロジの恩恵を得られるようにすべき」と提案している。
文:濱田 優
編集:小西雄志
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