マイクロストラテジー、ビットコイン新高値にもかかわらず16%下落

株式市場でこれまでに見られたなかで最も印象的な上昇の1つが、21日に一旦調整局面を迎えた。ビットコイン(BTC)開発会社を自称するマイクロストラテジー(MicroStrategy)は、ビットコイン価格が10万ドルに迫る新高値に急騰したにもかかわらず、2桁%の下落を記録した。

一時は20%超えの下落となった同社は、この日16.2%安で取引を終えた。この動きは、長期的なチャートで見れば一時的な急下落に過ぎず、2024年の株価上昇率は依然として5倍超え、1年前の水準からは8倍近く上昇している。

「マイクロストラテジーの“評価”はビットコインのファンダメンタルズから完全に切り離されている」とシトロン・リサーチ(Citron Research)のアンドリュー・レフト(Andrew Left)氏は21日に書いている。同氏は4年前、マイクロストラテジー株を購入することでビットコインをロングするよう投資家に推奨した同株の元強気派。ビットコインについては強気のままだが、同株をショートすることでヘッジしていると述べた。

同社の時価総額は20日と21日早朝に1億ドル(約154億円、1ドル154円換算)を超え、バランスシートに記載されているビットコイン保有額、約33万1000BTC(現在のビットコイン価格9万8000ドル近辺で換算すると3250万ドル)の3倍を超えている。21日の価格下落により、同社の時価総額は約8000万ドル(約1230億円)に落ち込んだ。

「マイクロストラテジーは、私の考える典型的なパラボリックショートの基準を正式に満たした」とXで多くのフォロワーを持つ専門家、ブラッコ(Bracco)氏は21日の米国市場開始前に投稿。同氏は、3日連続で2桁%の上昇を記録して一晩で大幅なギャップアップを記録したこと、20日の同社のドル取引高がエヌビディア(Nvidia)やテスラ(Tesla)のような超大型株(メガキャップ)を上回ったこと、同社に特化したレバレッジETF(上場投資信託)が市場全体で5番目に多く取引されたファンドであったことなどを要因として指摘した。

ジョナサン・ワイル(Jonathan Weil)氏は、21日早朝のウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)のコラム「ヒアード・オン・ザ・ストリート」で、最近の株価の上昇を支えたポジティブなフライホイール効果に注目した。株価の高い評価により、同社は有利な価格で資本を調達し、ビットコインを購入できる。ビットコインが上昇し、株価がさらに上昇し、マイケル・セイラー(Michael Saylor)会長とチームはより多くのビットコインを購入する。そしてそれが繰り返される。

「ビットコインがさらに上昇すると予想するなら、それを購入すればよい」とワイル氏は結論づけ、「マイクロストラテジー株をロングすることは、異様に非効率な市場がさらに悪化することに賭けるということだ」と述べた。

|翻訳・編集:廣瀬優香
|画像:Danny Nelson/CoinDesk
|原文:MicroStrategy Falls 16% Despite New Bitcoin Record as Some Question Valuation