- 長期保有者はビットコインの約4%にあたる55万BTC近くを売却した。
- 先週は、1日の利益確定売りがドル建ての過去最高を記録し、105億ドルを超えた。
- 長期保有者からの供給は、サイクルごとに減少している。
ビットコイン(BTC)は、11月22日に心理的な壁である10万ドルにほぼ達して(しかしまだ達していない)から、7.6%下落した。
これは、ドナルド・トランプ(Donald Trump)氏がアメリカ大統領選挙で勝利して以来、最大の落ち込みだ。この選挙結果により、時価総額が最大の暗号資産(仮想通貨)は、6万6000ドル前後の水準から最高値まで急騰していた。
それでも、この下落は異常なものではない。強気相場では、ビットコインは通常20%、あるいは30%も急落することが多い。いわゆる「修正」と呼ばれる動きで、過熱した市場におけるレバレッジを洗い出す傾向がある。
ビットコイン価格が10万ドルに達しなかった理由の大部分は、利益確定売りの規模の大きさによるものだ。Glassnodeのデータによると、11月21日には105億ドル(約1兆6275億円、1ドル=155円換算)という過去最高額の利益確定売りが発生した。これはビットコイン史上最大の1日の利益確定売りだった。
この動きの中心にいるのは、長期保有者(Long-Term Holder:LTH)と呼ばれるグループで、Glassnodeは、ビットコインを155日以上保有している者と定義している。この投資家たちは、ビットコイン価格が低迷しているときに買い、強欲や多幸感に駆られたときに売る傾向があるため、「賢明な投資家」と考えられている。
2024年9月から11月にかけて、これらの投資家は54万9119BTC、つまり保有量の約3.85%を売却した。10月に始まり、その後加速したこれらの売却は、マイクロストラテジー(MicroStrategy)やアメリカの現物ETF(上場投資信託)からの購入を上回るほどであった。
この売り圧力はいつまで続くのだろうか。
2017年、2021年、2024年初頭の過去の強気相場のパターンから注目すべきことは、サイクルごとに保有量の下落率が小さくなっていることだ。
2017年には下落率は25.3%だったが、2021年には13.4%、今年初めは6.51%だった。現在は3.85%だ。この減少率が続いた場合、さらに1.19%減、つまり16万3031BTCが供給され、この集団の保有量は1354万BTCとなる。
長期保有者からの供給は、その都度、より高い安値をつけ、より高い高値をつけるので、これもトレンドに沿ったものと言えるだろう。
|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:Shutterstock
|原文:Bitcoin Long-Term Holders Have 163K More BTC to Sell, History Indicates: Van Straten