月足は3カ月連続の陽線に
- 11月のビットコイン月足は陽線となることがほぼ確定しています。始値は1070万円でしたが一時1543万円まで上昇し、上昇率は最大で約43%となりました。これまでの高値だった1130万円近辺を抜けたことで、買いが加速しました。ビットコイン月足は9月から陽線となっており、3カ月連続のプラスを記録することになります。月足は移動平均線(3EMA)も10月から上回り、強気の値動きとなっています。
週足は9月2週から移動平均線の上位をキープ
- ビットコイン週足では、先週までに7週連続の陽線を記録し、怒涛の上昇を記録しました。この間の上昇率は約62%となり、先月後半から価格が大きく上昇しました。今週はこれまでに6%ほど下落する動きもあり、足元で利益を確定する動きがで始めています。一方、週足は8週間移動平均線を大きく上回り、週足でも強い値動きが見られます。週足ベースでは9月初週から陽線が増えており、2カ月前から買っていた投資家は利益が多く出ている状態です。
日足は足元でレンジで推移か
- 11月の序盤の相場は上値が重い動きとなっており、陰線が連続していましたが11月6日から相場は動き出しました。11月5日に米大統領選でトランプ氏の勝利が確定すると、買いが殺到しました。以前より暗号資産業界にポジティブな発言を行っていたトランプ氏の当選が、ビットコイン相場の買い手に勢いをもたらしました。11月21日に価格が1500万円を突破すると翌日には過去最高値となる1543万円を記録しました。一方、1500万円到達後は利確売りが入り、上値が重くなりつつあります。今週は1400万円を割り込む動きもあり、11月5日以来となる移動平均線(14EMA)も下回りました。足元では高値から1470万円近辺がレンジとして意識される価格帯となっています。本格的な上昇トレンドは今月から始まっていることを考えると、来月以降もまだ買い需要は継続することが予想されます。
半減期後の上昇トレンドはまだ始まったばかり?
- ビットコインのトレンドアノマリーでは、冬に上昇トレンドが発生しやすく、特に半減期の年に強い動きとなる傾向があります。上記の週足チャートは今年も11月から上昇トレンドが始まったことを示唆しています。昨年はアメリカでビットコイン現物ETFの承認期待に伴い10月から上昇トレンドが発生し、高値を付けるまで32週間ほどトレンドが継続しました。前回の半減期があった2020年も11月から上昇トレンドが始まりました。当時は上昇トレンドが53週間も続き、高値を付けたのは2021年の11月となりました。今回もこれまでと似たような動きとなっており、最低でも30週間は上昇トレンドが継続すると想定するなら、来年の6月までは底堅い動きとなるでしょう。上昇トレンドの発生時は、押し目で買って高値まで戻ってくるトレードを繰り返すことで利益を出すことができるでしょう。
まとめ
- ビットコインの月足と週足は先週時点で強気の値動きとなっていましたが、今月はレンジ相場を抜けたことで本格的な上昇トレンドの開始が示唆されています。日足では、今週始めに下落する動きとなりましたが水曜日に買い戻しが入り、1450万円近辺まで価格を戻しています。これまでの上昇トレンドアノマリーと比較すると今後半年程度は強い動きが続くことが予想されます。価格が下落した際の買い入れポイントを見極めてトレードしていくことになるでしょう。
|文:真田雅幸/bitbankマーケット・アナリスト
|編集:CoinDesk JAPAN編集部
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