ビットコイン、年末までに最大12万4000ドルに達する可能性:アーク・インベストのアナリスト
    • アーク・インベストのアナリストは、ビットコインが年末までに10万4000ドルから12万4000ドルに達する可能性があると述べた。
    • ビットコインは、過去のサイクルと同様に、もう一度大きな下落を経験する可能性が高い。
    • アーク・インベストは、最良のシナリオでは2030年にビットコインが150万ドルに達する可能性があると予測した。

    ビットコイン(BTC)は、象徴的な10万ドルの価格水準を超えるまで数百ドルに迫った後、9万5000ドル(約1425万円、1ドル150円換算)に反落した。しかし、投資運用会社アーク・インベスト(ARK Invest)によると、ビットコインは新たな高みに向けて一息ついているだけだという。

    同社のリサーチアソシエイトの一人、デイビッド・プエル(David Puell)氏はCoinDeskのインタビューで、「程度の差はあるが、年末までに10万4000ドルから12万4000ドルの価格目標を予想している」とし、「推奨しているわけではないと注意喚起をしておくが、これまでのところ、価格の動きはその予測にうまく追いついている」と述べた。

    プエル氏の計算は、ビットコインの季節性(過去の強気相場の様々な段階でビットコインがどのような動きを見せてきたかを指す用語)とオンチェーン指標に基づいている。プエル氏の見解では、強力な反対の証拠が出るまではサイクルは依然として強く機能しており、最終的には天井が形成され、ビットコインは2022年のように再び深刻な下落を経験すると予想している。

    プエル氏は、「現在の市場環境を強気相場の中盤と分類できる」とし、「底値から天井まで測定すると、そこまでの55%から65%程度だと言える」と述べた。オンチェーン指標によると、この状況では現在のビットコインのサイクルの天井はだいたい12万6000ドルから13万4000ドルになるとプエル氏は指摘したが、「市場が上昇に拍車をかければ」これらの価格目標はさらに上昇する可能性があるという。

    これは、ビットコインが成熟するにつれてそのリターンが各サイクルで減少しているという理論を支持している。13万4000ドルが天井になるということは、2021年の天井である6万9000ドルと比較して、ビットコインの評価額が2倍になったに過ぎないことを意味する。当時ビットコインは2017年のサイクルと比較して価格を3倍にすることができた。プエル氏は、アーク・インベストはこのようなリターン減少のシナリオに備えていたが、これまでのところデータでは結論が出ていないと述べた。

    年初に、アーク・インベストのキャシー・ウッド(Cathie Wood)CEOは、2030年までにビットコイン1枚あたり100万ドルから150万ドル(約1億5000万円から2億2500万円)という強気の目標を掲げ、基本目標を65万ドルとした。プエル氏は、価格は次期トランプ政権の到来によって押し上げられる可能性が高いと指摘した。トランプ時期大統領が米証券取引委員会(SEC)の委員長に誰を選ぶか、そして連邦準備制度理事会(FRB)の政策がリスクオン資産にどれだけ協調的になるかによって左右されるという。戦略的ビットコイン準備金の見通しについては言うまでもない。

    プエル氏は、「金融政策とSECのスタンスに注目すべきだ。しかし、例えて言うなら、戦略的ビットコイン準備金はただのケーキの上のさくらんぼではなく、ケーキの上に乗った全く新しいケーキのようなものだ」と述べた。

    しかし、これはビットコインが永遠に上昇し続けることを意味するわけではない。季節性とサイクルは、最終的にビットコインが再び弱気相場に陥り、最終的に史上最高値から70%下落する可能性があることを意味するとプエル氏は述べた。そして、価格の底は音楽が止まる前にビットコインがどこまで上昇できるか次第だ。

    |翻訳・編集:林理南
    |画像:Shutterstock
    |原文:Bitcoin Could Hit as High as $124k Before Year-End, Says ARK Invest Analyst