- ビットコインの上昇は10万ドルを下回る水準で止まったが、まだ十分な上昇余地があると、分析会社CryptoQuantはレポートで述べた。
- 複数のブロックチェーン指標は、過去の相場ピーク時に見られた過熱水準にはまだ達していないとレポートは指摘。
- 同社の現在のピーク価格目標は少なくとも14万7000ドルで、これは過去のサイクル最高値を示した指標に基づいている。
暗号資産(仮想通貨)分析会社CryptoQuantは、ビットコイン(BTC)が新高値を更新し続けた後、10万ドルの水準から引き戻されたのは、最終的にさらなる高値への障壁を越える前の一時的な後退に過ぎないと述べた。
27日にCoinDeskに共有されたレポートによると、複数のブロックチェーンデータ指標は、最大の暗号資産であるビットコインがピークに達するまでにはまだ上昇の余地があることを示唆している。
CryptoQuantのカスタムP&L(損益)指標は、ビットコインが過大評価されているか過小評価されているかを示すために、いくつかのオンチェーン評価指標を組み合わせたもの。カスタムP&L指標は、ビットコインは確実に強気市場にあるが、2021年・2017年・2013年の以前の相場ピーク時に到達した過大評価水準にはほど遠いことを示している。
強気・弱気相場サイクル指標
同社の強気・弱気相場サイクル指標は、ビットコインが今年初めに弱気相場領域にわずかに入った後、3月の7万3000ドルという記録的な価格から5万ドルに修正されたことで、ようやく上昇し始めた。この指標は、今年3月やその他の局所的なピークで見られた過熱水準にはほど遠い。
一方、小口投資家の参加は依然として控えめで、過去のサイクルピーク付近で観測された典型的な買いの熱狂とは対照的だ。CryptoQuantのデータによると、小口投資家は10月以降に4万1000BTCを売却し、利益確定のために保有量を減らしている。一方、大口投資家は同期間に保有量を13万BTC増やした。
新規投資家も市場への参入を急いでいない。新規投資家(ビットコイン保有期間が6カ月未満のアドレス)の保有額は、ビットコインへの投資額全体の50%を占めている。これは、2017年と2021年の80~90%の水準をはるかに下回っている。
「価格ピークは通常、新規投資家が市場に参入して極めて高い価格で購入したときに発生し、その結果、新規投資家は投資総額の大部分を保有することになる」とレポートの著者らは述べたうえで、「これまでの強気サイクルは、小口投資家が積極的に購入することで終わりを迎えてきたが、現在はそうではない」と付け加えた。
ビットコインのピーク目標
過去1週間、ドナルド・トランプ(Donald Trump)氏の選挙勝利後のビットコインの急上昇は10万ドルの壁で止まり、最新の記録から最大9%下落した。CoinDeskのデータによると、27日には約9万5000ドルで取引された。
この後退にもかかわらず、10万ドルの壁を突破するのは時間の問題であるとCryptoQuantのアナリストは述べている。
過去のビットコインの強気相場は、ビットコインの実現価格指標のバンドの上限付近でピークに達した。この指標は、流通するすべてのビットコインが最後に送金された際の平均価格の4倍に設定されている。データによると、実現価格は現在3万6000~3万7000ドルで急速に上昇しており、バンドの上限は14万7000ドルとなっている。
CryptoQuantによると、これまでのパターンが繰り返された場合、ビットコインは少なくとも14万7000ドルまで上昇した後、市場サイクルのピークに達する可能性がある。
ビットコインの上昇に強気なのはCryptoQuantだけではない。ギャラクシー・リサーチ(Galaxy Research)は最近、ビットコインの機関投資家への普及が拡大し、国の準備金になる可能性があることから、価格は近いうちに10万ドルに達すると予想され、さらに上昇する可能性があると述べた。
|翻訳・編集:廣瀬優香
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|原文:Bitcoin to Overcome $100K Despite Pullback, Has Plenty of More Room Before Topping: CryptoQuant