- レイディウムのRAYトークンに連動する無期限先物の資金調達率は、ロングポジションの著しい過密状態を示している。
- この偏ったポジションにより「ロングスクイーズ」の可能性が残されている。
- レイディウムは今月、イーサリアムブロックチェーンを上回る取引高を記録したが、最近その活動は冷え込んでいる。
ビットコイン(BTC)の最近の強気の動きが一旦止まったことで、市場全体が冷え込んだ。過度にレバレッジをかけたポジションが一掃され、価格上昇に賭けるコストが正常化された。しかし、あるトークンがまだ過熱状態にある。ソラナベースの分散型取引所(DEX)レイディウム(Raydium)のネイティブトークン、RAYだ。
VeloDataのデータによると、RAYは年率換算の無期限先物の資金調達率が依然として160%を超える唯一のコインとして、時価総額が小型・中型・大型のトークンの中で最も過熱した暗号資産として目立っている。この高い資金調達率は、RAY市場がロングポジションで過密状態にあり、レバレッジが強気側に大きく偏っていることを示している。
このような状況下では、わずかな価格の下落でも、特に後発の参入者などの過度にレバレッジをかけた強気筋の信頼を揺るがし、ロングポジションの大量解消を引き起こす可能性がある。これによって価格下落が悪化することがよくあり、より顕著な売りにつながる。RAYのような時価総額50億ドル(約7500億円、1ドル150円換算)未満のトークンは、デリバティブ市場の思惑に特に影響を受けやすい。
強気筋が警戒を緩めた理由は容易に理解できる。CoinDeskのデータによると、RAYは最近の17%の価格反落で5.39ドル(約809円)になったにもかかわらず、依然として今月67%上昇した水準にある。この数字は、市場リーダーであるビットコイン(BTC)の35%上昇と比べても大きい。
この市場全体を上回る上昇の背景には、レイディウムでの活動量が記録的な水準に達したことがある。データソースのアルテミス(Artemis)によると、レイディウムは今月1178億ドル(約17兆6700億円)の取引高を記録しており、これはイーサリアムベースのDEX全体の取引高668億ドルのほぼ2倍だ。レイディウムは1億7500万ドルの手数料を生み出しており、世界最大のスマートコントラクトブロックチェーンであるイーサリアムの1億6800万ドルを上回っている。
レイディウムでの記録的な水準の活動の多くは今月初めに発生しており、主にミームコインの熱狂によって引き起こされたものであることに注意が必要だ。これにより取引高が記録的な高水準に押し上げられ、RAYトークンへの大きな関心を引き起こした。しかし、この熱狂的な勢いは冷め始めており、RAYトークンの持続的な上昇を支える基盤は弱まっている。
|翻訳・編集:林理南
|画像:Shutterstock
|原文:Solana-Based DEX Raydium’s RAY Is Still Too Hot to Handle: Godbole