ステーブルコインはアメリカの通貨供給量の10%にまで成長する可能性がある:レポート
  • ステーブルコインは、アメリカの通貨供給量および外国為替取引の10%にまで成長する可能性があるとスタンダード・チャータードとゾディア・マーケットはレポートで述べている。
  • 両社は、アメリカの規制がこの分野に導入されれば、ステーブルコインの採用が急増する可能性があると述べた。
  • トランプ政権が来年早々に発足すれば、規制の進展が期待できると報告書の著者は述べている。

スタンダード・チャータード(Standard Chartered)とゾディア・マーケット(Zodia Markets)は11月28日に発表したレポートで、ステーブルコインはこの分野がより合法化されれば、アメリカの通貨供給量の10%にまで成長する可能性があると述べた。

現在、ステーブルコイン市場はアメリカのM2の1%と外国為替取引の1%に相当する規模だとレポートは述べている。

「この分野が合法化されるにつれ、それぞれの指標が10%に達することは十分可能だ」と、執筆者のジェフ・ケンドリック(Geoff Kendrick)氏とニック・フィルポット(Nick Philpott)氏は書いている。

ステーブルコインは、安定した価値を維持するように設計された暗号資産(仮想通貨)の一種であり、通常は米ドルにペッグされているが、ゴールド(金)などの他の資産も使用されている。M2はアメリカの通貨供給量を表す指標であり、現金、貯蓄、その他の短期投資などを含む。

採用急増のきっかけとなるのは、アメリカのステーブルコイン規制だと著者は述べ、さらに、国境を越えた支払いと外国為替取引が成長の鍵となる分野だと付け加えた。

ジョー・バイデン(Joe Biden)政権下で3つの法案が提出されたが、ほとんど進展は見られなかったとレポートは指摘し、ドナルド・トランプ(Donald Trump)政権が2025年初めに発足すれば、規制面でのさらなる進展が期待できると付け加えた。

バーンスタイン(Bernstein)は、ステーブルコインは世界の金融システムにおいてより重要性を増しており、米国債の18番目の保有者となっていると、9月のレポートで述べている。

|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:Shutterstock
|原文:Stablecoins Could Grow to 10% of U.S. Money Supply: Standard Chartered and Zodia Markets