レイヤー1(L1)にとって良いことは、レイヤー2(L2)にも良いことだ。
これは、イーサリアム(Ethereum)ブロックチェーン上で稼働する2つの主要レイヤー2である「zkSync」と「ポリゴン(Polygon)」の開発チームが、イーサリアムを全面的に見直すという提案について下した評価だ。つまり、見直しがレイヤー2を不要にするという指摘を否定するものだ。
11月、タイ・バンコクで開催された2年に1度のイーサリアム開発者会議「Devcon」において、開発者のジャスティン・ドレイク(Justin Drake)氏は、イーサリアムブロックチェーンのコンセンサスレイヤーのアーキテクチャを刷新する野心的な計画を提示した。「ビーム・チェーン(Beam Chain)」として知られるようになったこの計画の一環として、ドレイク氏は、データを圧縮して、取引をより迅速かつ安価に行うために複数のレイヤー2が使用しているゼロ知識証明(ZK)技術をイーサリアムに組み込むことを提案した。
ここ数年、イーサリアムエコシステム内の多くの人々が、ロールアップを核にしたロードマップを推進している。これはスケーリングの課題を解決するためにレイヤー2ネットワークに依存することを意味する。「ゼロ知識」ロールアップは特に、スピードとセキュリティの面で、いわゆる「オプティミスティック」ロールアップよりも優位性があるため、より優れた技術と見なされている。
ドレイク氏のDevconでの講演を前に、Beam Chainがイーサリアム上のゼロ知識ロールアップに何をもたらすのか。また、レイヤー2が時代遅れのものになるのかどうかについて、多くの人が疑問を抱いていた。
🧠 Ethereum Goes All-In on ZK
— Pink Brains (@PinkBrains_io) November 14, 2024
– Chain SNARKification: Beam Chain uses zk-SNARKs to verify state transitions, boosting performance and scalability.
– zkEVM Integration: Enables on-chain scalability with zkEVM, reducing dependency on Layer 2 rsolutions. https://t.co/S4cWqZ8JTu
「大きな誤解だ」とzkSyncの開発企業、マター・ラボ(Matter Labs)のCEO、アレックス・グルチョウスキ(Alex Gluchowski)氏は述べた。
「ジャスティンが発表した変更は、コンセンサスレイヤーに焦点を当てたものであり、実行レイヤーではない。実行レイヤーに影響を与えるものではない」
Ethereum foundation is soon going to announce ethereum 3.0, “beam chain”, using zkVM tech to expand ethereums scalability, without needing to use layer 2s
— RamenPanda (@IamRamenPanda) November 12, 2024
Read it again, without needing to use layer 2s
LMFAO
All that multi billion dollar market cap, VC investment, will all…
ベースレイヤーであるイーサリアムは、それ自体が複数のレイヤーで構成されている。コンセンサスレイヤーはブロックの検証を確実に実行する役割を担い、実行レイヤーはトランザクションの実行を担う。トランザクションデータをイーサリアムに送るレイヤー2は、主に実行レイヤーの変更の影響を受ける。
ゼロ知識証明技術を組み込むことに加えて、ドレイク氏の提案はブロックタイムの短縮も狙っている。これは、レイヤー2の取引コスト削減につながる可能性がある。ドレイク氏はまた、シングルスロット・ファイナリティ(トランザクションデータを含むブロックが即時にファイナライズされ、情報がすぐに恒久化される)を導入したいとも述べた。計画通りに進めば、Beam Chainは2029年に稼働する予定だ(ただし、イーサリアムは野心的な技術アップグレードを延期してきた経緯がある)。
「我々はグローバル決済レイヤーとしてイーサリアムに依存しているため、どの提案も素晴らしい」とグルチョウスキ氏は述べた。
ロールアップの改良?
Polygonの共同創設者、ブレンダン・ファーマー(Brendan Farmer)氏も、Beam Chainがレイヤー2を時代遅れにするとは考えていないと米CoinDeskに語った。そうではなく、Beam Chainによって、「ロールアップはより機能するようになる」。
「ブロックタイムの短縮、より迅速なファイナリティ、コンセンサスレイヤー上で何が起きているかについてのZK検証可能性など、L2のユーザビリティ、異なるエコシステム間でのL2の相互運用性にとって、本当にポジティブな影響をもたらすと考えている」
イーサリアム上でのより迅速なファイナリティは、特にレイヤー2の相互運用性を実現するために有用であり、L2にとって広く共有された目標だ。
「イーサリアムの大きな問題は、ブロックがファイナライズされるまでに通常12〜19分かかること」とファーマー氏。
「例えば、アービトラム(Arbitrum)とポリゴン(Polygon)の間で資金を移動させる場合、つまり資金をアービトラムから引き出し、ポリゴンに入金するまでの間、ポリゴンはL1上でトランザクションがファイナライズされるまで、その資金の安全にユーザーのアカウントに反映することはできない。そのため、ユーザーエクスペリエンスは悪化する。だが12秒でファイナライズされれば、より優れたユーザーエクスペリエンスとなる」
マター・ラボのグルチョウスキ氏は、Beam Chainはスケーリング手法としてのゼロ知識証明の正当性を証明するものだと述べた。
「ZKを使用することは、ZKが最終手段であるという事実がまさに強調する」
|翻訳・編集:CoinDesk JAPAN編集部
|画像:イーサリアムは複数のレイヤーで構成されている (Annie Spratt/Unsplash)
|原文:Ethereum Layer-2 Teams Welcome Proposal to Overhaul Blockchain