ビットコイン(BTC)は今週、株式市場でリスク回避の動きが広がるなか、2%下落して9万5000ドルとなり、低調なスタートとなった。欧州株式は下落し、フランス政府の財政危機に対する懸念から、同国の国債利回りは債務に苦しむギリシャの水準にまで急落している。
週末、ビットコインは10万ドル付近で数百万ドルの売り注文に直面、またマイクロストラテジー(Microstrategy)を率いるマイケル・セイラー(Michael Saylor)氏は、マイクロソフト(Microsoft)にビットコイン投資を提案していた。
だが強気派はまだ希望を失うべきではない。なぜなら、暗号資産(仮想通貨)投資会社ビットワイズ(Bitwise)のアンドレ・ドラゴシュ(Andre Dragosch)氏によると、ビットコインの約75%は流動性のないと分類され、中央集権的取引所(CEX)に存在するのは14%以下であり、供給不足は現実のものとなっているからだ。
ビットコインを戦略的準備金として採用する国々についての憶測もあり、中東では12月9〜12日まで開催されるアブダビ・ファイナンス・ウィーク(Abu Dhabi Finance Week)で何か大きな発表があるかもしれない。イベントが近づくにつれ、憶測は大きくなりそうだ。
イーサリアム(ETH)のテクニカル分析は特に強気で、暗号資産フレンドリーなトランプ氏が次期大統領に決まる前でさえ、10月中旬のビットコインの動きを予感させるような大規模な上昇を示唆していた。
資金フローも、同じことを示している。金曜日(11月29日)には、米国上場の9本のイーサリアムETFへの純流入額は3億3300万ドル近くに達した。これはビットコインETFの3億2000万ドルを上回った。さらに、IntoTheBlockによると、イーサリアムのクジラ(大口保有者)は20日間で57億ドル(約8550億円)相当のイーサリアムを買い集めた。
一方、エックス・アール・ピー(XRP)は24時間で27%以上も上昇し、時価総額第3位の暗号資産に上昇、テザー社のステーブルコイン、USDTを抜いた。XRPは、韓国で記録的な取引高を見せ、個人投資家の積極的な動きを示している。
4週間で350%の上昇は行き過ぎのように思えるかもしれないが、必ずしもそうとは限らない。XRPの市場価値対実現価値(MVRV)比率は、株式における株価純資産倍率(PBR)と似たもので、分析企業サンティメント(Santiment)の人気指標だが、まだ全期間平均の水準までしか上昇していない。つまり、価格がさらに上昇しない限り、過大評価と見ることはできない。
マクロ面では、今週の焦点は水曜日(4日)の米ISM非製造業景況感指数、そして金曜日(6日)の雇用統計と平均時給のレポートだ。雇用と賃金の伸びが予想を上回れば、ドルは上昇し、FRB(米連邦準備制度理事会)の利下げ観測が後退する可能性がある。また、中国が追加の金融緩和政策を検討しているとの話もあるが、これまでの効果は限定的と見られている。
|翻訳・編集:CoinDesk JAPAN編集部
|画像:ビットコインとイーサリアムの24時間推移(CryptoCompare)
|原文:BTC Dominance Tumbles as Altcoins Rumble: Crypto Daybook Americas