- グラスノードのデータによると、約1480万BTCが「流動性が低い」とされており、これは総流通量の75%に相当する。
- 取引所のビットコイン残高は300万BTCをわずかに下回り、4年ぶりの低水準に近づいている。
ビットコイン(BTC)のいわゆる10万ドルの売り注文の壁は、突破が難しい状況にあり、現在の価格と6桁のマイルストーンの間で3億8400万ドル(約576億円、1ドル150円換算)相当の売り注文が出されている。しかし、供給データを見ると、上昇圧力が高まっていることが示唆されている。
「非流動的供給量」とは、長期保有者(Long-Term Holder:LTH)が所有し、活発に取引されていないビットコインの量を指す。グラスノード(Glassnode)のデータによると、非流動的供給量は過去30日間で18万5000BTC超えの増加となり、総流通供給量2000万弱BTC(発行上限は2100万BTC)の75%に相当する1480万BTCという史上最高値を記録した。この18万5000BTCは、30日間の変化としては今年2番目に高い記録であり、現在の投資家の主な行動は取引ではなく保有であることを示唆している。
CoinDeskの以前の調査では、長期保有者による売りは終わりに近づいていることが示されている。11月26日以降、長期保有者はグループとしてビットコインを蓄積しており、保有量に2000BTC以上を追加した。これは、この集団の利益確定期間が終わりに近づいていることを意味し、市場の売り圧力を弱める可能性がある。
ビットコインが取引所から流出
11月初旬に最新の強気相場が始まって以来、ビットコインは取引所から急速に流出している。これにより、取引所のビットコイン残高がほぼ安定した水準で推移してきた約2年間の傾向が終わりを迎え、投資家のさらなる需要を示す明るい兆候となっている。
だが、過去5年間を拡大して見ると、取引所のビットコイン残高は270万~330万BTCの比較的狭い範囲にとどまっており、やや心もとない状況だ。
持続可能な強気相場を実現するには、ビットコインが取引所から流出し続ける必要がある。この動きは、レバレッジの兆候であることが多いデリバティブの需要ではなく、投資家からの需要が継続していることを示す兆候だ。
「ビットコインの非流動的供給量は過去最高を更新し、取引所残高は数年ぶりの低水準を記録した」とビットワイズ(Bitwise)のリサーチ責任者、アンドレ・ドラゴシュ(Andre Dragosch)氏は述べた。さらに「総供給量の約75%が“流動性が低い”とみなされている一方、取引所の供給量は14%未満だ。ビットコインの供給不足は深刻化し続けている」と続けた。
|翻訳・編集:廣瀬優香
|画像:ビットコインの非流動的供給量(Glassnode)
|原文:Bitcoin’s ‘Illiquid’ Supply Soars to New All-Time High Near 15M Tokens