コインベース、サードパーティ暗号資産アプリ向け「オンランプ」サービスがアップルペイに対応
  • コインベースが自社のプラットフォーム「オンランプ」をアップルペイに対応させ、サードパーティアプリのユーザーがアップルの決済サービスで暗号資産購入の資金を調達できるようになった。
  • アップルペイの統合により、消費者の間で広く使用されているこのサービスを通じて、暗号資産の購入がより迅速になることが期待されている。

コインベース(Coinbase)が自社のプラットフォーム「オンランプ(Onramp)」をアップルペイ(Apple Pay)に対応させた。オンランプとは暗号資産(仮想通貨)用語で、法定通貨を仮想通貨に交換することを指す。これにより、セルフカストディウォレットなどのサードパーティアプリのユーザーが、iPhoneメーカーであるアップル(Apple)の決済サービスで暗号資産購入の資金を調達できるようになった。

法定通貨で暗号資産を購入する際、特に初回は、取引所とのやり取りや長時間のKYC(本人確認)チェックを経る必要があり、時間のかかるプロセスになることがあった。アップルペイの統合により、このプロセスがより迅速になることが期待されている。このサービスが消費者の間で広く使用されており、テック大手アップルのデバイスにデフォルトで搭載されているためだ。

2014年に導入されたアップルペイは、現在約5億人のアクティブユーザーを抱えており、アメリカではコンタクトレス決済の市場シェアの90%以上を占めている。

コインベースの開発者プラットフォーム責任者であるネミル・ダラル(Nemil Dalal)氏はCoinDeskとのインタビューで、「オンランプ製品が行うのは一般的に、ユーザーが法定通貨を暗号資産に持ち込むのを可能にすることだ。これまで、このプロセスは苦痛を伴うものだった」と指摘。「(コインベースの)オンランプで、所要時間を数秒にするという構想だ。6000万人のアメリカ人がすでに使い慣れているアップルペイの馴染みのあるウォレット体験を通じて、銀行口座を紐づけ、資金をオンチェーンに移動し、その後好きなことができる」と述べた。

ダラル氏によると、コインベース・オンランプを通じてユニスワップ(Uniswap)で暗号資産を購入することがすでに可能だという。コインベースのブログ記事の草案では、ドッグウィフハット(dogwifhat)やイギー・アゼリア(Iggy Azalea)氏のMOTHERなどのミームコインを購入するアプリであるムーンショット(Moonshot)が、アップルペイを通じて現金入金を受け付けるようになったと言及されている。

アップルペイはすでにユーザーの銀行口座と連携しているため、一部のKYCチェックが実施済みだ。従って、コインベースのオンランプチームは、これまでのKYC手続きの一部をアップルに依存することになる。

この統合の一環として、コインベース・オンランプを通じてアップルペイでステーブルコインのUSDコイン(USDC)を購入するユーザーは、トランザクション(取引)手数料を支払う必要がない。

|翻訳・編集:林理南
|画像:Shutterstock
|原文:Coinbase Plugs Apple Pay Into Its Fiat ‘Onramp’ for Third-Party Crypto Apps