- ドナルド・トランプ氏の当選以来、イーサリアム・ブロックチェーンの取引収益が急増しているとステノ・リサーチの報告書は述べている。
- この増加により、ステーキング報酬が増加し、取引手数料を通じてより多くのイーサリアムがバーンされているとステノは述べた。
- イーサリアム・ネットワーク上のUSDTの量は、2年以上ぶりにトロン・ブロックチェーンの供給量を上回った。
ステノ・リサーチ(Steno Research)は12月2日の調査報告書で、ドナルド・トランプ(Donald Trump)氏のアメリカ大統領選挙勝利以来、イーサリアム(Ethereum)・ブロックチェーンの取引収益が大幅に増加したと述べた。
「この結果は、すべてのオンチェーン活動にとって極めて重要だ」とシニア暗号資産(仮想通貨)アナリストのマッズ・エバーハルト(Mads Eberhardt)氏は述べている。
報告書によると、この急騰により、ステーキング報酬が増加し、取引手数料を通じてより多くのイーサリアム(ETH)がバーン(焼却)されたという。
「この組み合わせにより、イーサリアムのトークン経済が強化され、イーサリアムがより魅力的な資産となっている」とステノは述べている。
ステノは、イーサリアム・ネットワーク上のテザー(USDT)の量が、2年以上ぶりにトロン(Tron)・ブロックチェーンの供給量を上回ったことを指摘した。これは、オンチェーン活動が活況を呈していることを示す明確な兆候であり、取引を促進するためのイーサリアムの需要が高まり、取引収益が増加した結果だ。
イーサリアムのレイヤー2ネットワーク、またはロールアップにおける1日の取引件数も増加しており、ステノはこの上昇傾向が今後も続くと予想している。
ロールアップは、イーサリアムのプロトコルで、メインネットワークとは別に取引を処理することで、速度の向上とコストの削減を可能にする。レイヤー2は、レイヤー1、つまりベースレイヤーの上に構築された独立したブロックチェーンであり、スケーリングとデータに関するボトルネックを軽減する。
ロールアップがイーサリアムに支払う日々の手数料は、現時点では劇的なものではないが、ステノは100万ドル(約1億5000万円、1ドル=150円換算)に達する可能性があると予測するのは非現実的ではないと述べた。そして、これが実現すれば、ネットワークの経済学にとって意義深いことになるだろう。
アメリカのイーサリアム現物ETF(上場投資信託)は、11月29日、1日当たりの純流入額で過去最大の記録を達成し、初めてビットコイン(BTC)のETFを上回ったと報告書は指摘した。
|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:Shutterstock
|原文:Ethereum Transaction Revenue Has Surged Since Trump Election Victory: Steno Research