- 分単位の価格データを見ると、コインベースではバイナンスやアップビットよりも強い買い圧力がかかっていることが示唆されている。
- しかし、取引高は韓国の方がはるかに多い。
エックス・アール・ピー(XRP)のようなアルトコインやその急激な価格上昇について考えるとき、真っ先に思い浮かぶのは、アルトコインに深く関わっていることで知られる韓国だ。
韓国の投資家は、XRPの30日間の価格が400%以上上昇し、2.60ドルに達したことに貢献したが、彼らだけが市場を独占しているわけではない。アメリカの投資家は、ナスダックに上場している暗号資産(仮想通貨)取引所コインベース(Coinbase)を通じて非常に活発に取引を行っている。
分析会社CryptoQuantのデータによると、コインベースのXRP/USDペアは、過去30日間、バイナンス(Binance)のXRP/USDTペアよりも常に高値で推移しており、分単位のプレミアムは3%から13%の範囲だった。
CryptoQuantのCEOであるキ・ヨン・ジュ(Ki Young Ju)氏によると、これはコインベースで大口投資家が活発に取引していることを示す兆候だ。一方、韓国の大手取引所であるアップビット(Upbit)では、価格に大きなプレミアムは見られない。
ドナルド・トランプ(Donald Trump)政権下での暗号資産の採用に関するストーリーは、いわゆるコインベースプレミアムを後押ししている可能性が高い。
「ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は、トランプ大統領の2期目を『政府のハードルが少ない暗号資産の新時代』と表現している。暗号資産支持者によると、『訴訟の平和』の下、XRPは外国為替の『ブリッジ通貨』として資産を使用する大手金融機関にとってより利用しやすくなるだろう」と、FRNT Financialは12月3日のニュースレターで述べ、XRPの上昇とアメリカの取引所での活況を説明した。
トランプ次期大統領の暗号資産に対する好意的な姿勢は、決済に重点を置くXRPが「外国為替の決済時に『ブリッジ通貨』として国際資本移動に広く普及する」という説を裏付けているとFRNTは付け加えた。
取引高ではコインベースは遅れをとっている
しかし、取引高の動向を見ると、XRP市場では韓国が主導権を握っていることが分かる。データソースのCoingeckoによると、アップビットでは、XRP/KRWが過去24時間で最も取引されたペアであり、取引高は76億3000万ドル(約1兆1445億円、1ドル=150円換算)で、総取引高の26%を占めている。
コインベースでは、XRP/USDのペアの取引高は過去24時間で17億ドル(約2550億円)近くに達し、これは全ペアの中で最高額であり、同取引所の総取引高98億9000万ドル(約1兆4835億円)の17%以上を占めている。Coingeckoによると、BTC/USDは2番目に活発に取引されているペアであり、取引高は15億9000万ドル(約2385億円)だ。
オフショアのXRP市場の方が取引高が多いのは、リップル(Ripple)社が証券取引法違反の疑いでアメリカ証券取引委員会(SEC)と法廷闘争を繰り広げていたため、アメリカでは長い間、XRPを機関投資家や個人投資家が取引できなかったためと思われる。しかし、今年初めにこの法的な争いが有利な形で決着したため、コインベースなどの取引所がXRPの再上場に踏み切った。
|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:Shutterstock
|原文:Move Over XRP’s Korea Narrative, The 400% Price Rally Has Support of Coinbase Whales