- シカゴ連銀の全米金融環境指数(NFCI)は、金融状況が2021年8月以来最も緩和されていることを示している。
- ビットコインとドルは依然として密接な関係にあり、30日間の相関関係は0.66である。
シカゴ連邦準備銀行の全米金融環境指数(NFCI)によると、アメリカの金融状況は過去3年間で最も緩和された状態にある。NFCIは、レバレッジ、債券・株式市場、伝統的銀行業などの要因を考慮した週ごとの指標だ。
この指数は、リスク、信用、レバレッジの3つの特定分野に関する洞察を提供する。11月22日までの1週間の指数は-0.64まで落ち込み、新型コロナウイルスのパンデミック後の2021年8月以来の水準となった。
マイナスの数値は、金融状況が平均よりも緩和されており、流動性が容易に利用できることを示唆している。一方、プラスの数値は、2008年の世界金融危機の時のように、資本調達が難しく、平均よりも厳しい状況を意味する。
全体的に見て、現在は1971年にデータの収集が開始されて以来、最も金融緩和が進んだ時期のひとつであることが分かる。アメリカのインフレ率は年率2.6%で、2021年2月以来、アメリカ連邦準備制度理事会(FRB)の目標値である2%を大きく上回っているが、9月以来の75ベーシスポイントの利下げと現在の4.75%の金利では、投資家のリスク志向を抑えるには不十分である可能性がある。
例えば、S&P 500は今年に入ってから28%上昇し、ゼロヘッジ(Zerohedge)によると、55回の史上最高値更新を見せた。TradingViewのTOTAL指標によると、ビットコイン(BTC)は118%急騰し、暗号資産(仮想通貨)の時価総額は2倍以上に増加して3兆5000億ドル(約525兆円、1ドル=150円換算)に近づいている。
ビットコインとドル指数は同時に上昇
リスク資産は、他の主要通貨に対する米ドルの価値を測定するドル指数(DXY)と逆相関の傾向がある。通常、指数が100を超えるとドルが強いと見なされる。ドナルド・トランプ(Donald Trump)氏がアメリカ大統領選挙で勝利して以来、指数は106を超えている。
ビットコインの急騰は、逆相関の関係を打ち破るものであり、特に興味深い。ビットコインとDXYの30日間の相関関係は0.66となっており、過去7年間で最も強いレベルだ。
金融状況が緩和され、アメリカの債務が過去最高の36兆1700億ドル(約5425兆5000億円)に達する中、最大の暗号資産は流動性を吸収する能力で強いドルを上回り、繁栄しているようだ。
|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:TradingView
|原文:With U.S. Financial Conditions the Loosest in Years, Bitcoin Can Continue to Thrive: Van Straten