- ビットコインは4日のアメリカの取引時間で10万ドルに向けて急騰し、過去24時間では3.2%上昇した。
- この上昇は、コインベースにおける現物ビットコイン価格の大幅なプレミアムと同時に起こった。
- パウエルFRB議長は、パネルディスカッションでビットコインを金の競合と呼んだ。
4日のほとんどの時間帯で狭いレンジで取引されていたビットコイン(BTC)は、アメリカ時間午後に突如10万ドル(約1500万円、1ドル150円換算)に向けて急騰し、数週間突破できなかった節目の価格に近づいた。
CoinDeskのデータでは、正午頃に一時9万5000ドルを下回った後、ビットコインは約5%急騰し、セッション高値9万9177ドルを記録した。過去24時間では3.2%上昇しており、市場ベンチマークであるCoinDesk 20 Index(CD20)の1.3%上昇を上回るパフォーマンスを示した。
この価格の動きは、アメリカの投資家のビットコイン需要を測る重要な指標であるコインベース・プレミアム(Coinbase Premium)が稀に見る高水準に急騰した時に起こった。
TradingViewのデータによると、価格急騰時にビットコインはコインベース(Coinbase)でバイナンス(Binance)と比較して時折300ドル以上高値をつけており、今回の上昇がおそらくアメリカの市場参加者からの強い需要に牽引されたことを示している。
コインベース・プレミアムは、アメリカの顧客や多くの機関投資家に広く利用されているコインベースでの現物ビットコイン価格と、個人投資家の間で人気の高い取引高首位のオフショア取引所バイナンスでの価格との差を測定するもの。
連邦準備制度理事会(FRB)のジェローム・パウエル(Jerome Powell)議長は4日に開催されたニューヨーク・タイムズ(New York Times)のイベント「ディールブック(DealBook)」に参加し、ビットコインをデジタル版の金や金の競合になぞらえた。上昇はこの後に起きたが、それが上昇の原因である可能性は低い。また、ドナルド・トランプ(Donald Trump)氏が暗号資産(仮想通貨)に友好的とみられるポール・アトキンス(Paul Atkins)氏を証券取引委員会(SEC)の委員長に指名したことでも価格が急騰した。
ビットコインは過去2週間、10万ドルの節目との戦いを続けており、この上昇はトランプ氏の当選をめぐる楽観論に後押しされている。大規模な利益確定がこの水準の突破を妨げている。しかし、CoinDeskのシニアアナリストであるジェームズ・ヴァン・ストラテン(James Van Straten)氏は、歴史的に見るとビットコインがこの心理的に重要な水準を突破するには複数回の試みが必要かもしれないと指摘している。
|翻訳・編集:林理南
|画像:CoinDesk
|原文:Bitcoin Jumps to $99K as Spiking Coinbase Premium Points to Strong U.S. Buying