- BNBは4日に史上最高値の793ドルに達し、過去24時間で14%上昇し、広範な市場を対象とするCoinDesk 20 Indexを上回るパフォーマンスを示した。
- BNBは、アルトコインへの資金ローテーション、米国における規制上の逆風の緩和、トークンのバーン(焼却)による供給量減少から恩恵を受けている。
バイナンス(Binance)に関連する暗号資産(仮想通貨)で、BNBチェーンのネイティブトークンであるビルドアンドビルド(BNB)は、4日に史上最高値に急騰。アルトコインへの資金ローテーションが急速に進むなか、ビットコイン(BTC)、ソラナ(SOL)、トロン(TRX)に続いて新記録を樹立した最新の大型暗号資産となった。
トレーディングビュー(TradingView)のデータによると、BNBは4日午前にセッションの高値である793ドルに達し、その後上昇幅は縮小したが、3年以上レジスタンスとなっていた700~720ドルの水準を上抜いた。BNBは最近730ドルで取引されており、過去24時間で14%上昇しており、BTCの0.4%上昇や、暗号資産市場の広範なベンチマークであるCoinDesk 20 Index(CD20)の2.7%上昇を上回っている。
この動きは、BTCが心理的に重要な水準である10万ドル手前で停滞するなか、トレーダーが利益を追求するために小規模な暗号資産(アルトコイン)に資金を移動させたことで起こった。ドナルド・トランプ氏が選挙で勝利したことでデジタル資産の規制環境がより友好的になると期待されているため、リップル(Ripple)社のエックス・アール・ピー(XRP)やTRXなど、規制上の問題を抱える歴史ある暗号資産は、過去1カ月で最も上昇した暗号資産となった。
BNBはもともと、暗号資産取引所大手のバイナンスが2017年に立ち上げ、以前はバイナンススマートチェーン(Binance Smart Chain:BSC)として知られていたブロックチェーンエコシステム、BNBチェーンを支えている。また、BNBは、バイナンスの取引コストを支払う際や取引手数料の割引を受ける際のユーティリティトークンとしても使用されている。
規制圧力の緩和
バイナンスの規制上の問題は、2023年を通じてBNBに重くのしかかった。暗号資産市場は同年末にかけて反発したが、BNBは依然として弱気相場の安値に近い200ドル前後にあった。こうした圧力は現在では緩和されている。バイナンスの創業者で元CEOの「CZ」ことチャンポン・ジャオ(Changpeng Zhao)氏は、銀行秘密法(BSA)違反の罪を認め、米国で4カ月の刑期を終えた後、9月に刑務所から釈放された。また、CoinDeskは先月、バイナンスはコンプライアンス部門を大幅に強化したと報じた。
供給量の削減
BNBは、バイナンスの四半期ごとのトークン焼却スキームからも恩恵を受けており、このスキームではBNBチェーンの活動に基づいてトークン供給量を定期的に削減する。先月、バイナンスは当時10億7000万ドル(約1615億7000万円、1ドル151円換算)に相当する170万枚以上のBNBトークンを焼却したと報告した。
BNBチェーンエコシステムでは、価格とともにユーザー活動も活発化した。Artemis.xyzのデータによると、1日あたりのアクティブアドレス数とトランザクション数は、少なくとも過去3カ月間で最多の水準を記録した。
|翻訳・編集:廣瀬優香
|画像:BNB価格の推移(TradingView)
|原文:Binance’s BNB Hits Fresh Record, Breaks Out of 3-Year Range as Altcoin Rotation Accelerates