- データによると、ビットコインは過去24時間で7.2%上昇し、時価総額が初めて2兆ドルに達し、10万3670ドルをわずかに上回って過去最高値を更新した。
- アメリカのビットコインETFは12月4日に5億3300万ドルの純流入を記録し、ブラックロックのIBITは純資産額が初めて500億ドルを突破した。
- 季節的に強気なホリデーシーズン、ETFからの需要、そして主流メディアの注目度の高まりにより、今後数週間のビットコインの買い需要がさらに高まる可能性があるとトレーダーらは述べている。
ビットコイン(BTC)は12月5日朝、最初の取引開始からほぼ15年を経て、10万ドルという歴史的な水準を突破した。一部のトレーダーは、この動きが今後も続くと予想している。
データによると、ビットコインは過去24時間で7.2%上昇し、10万3670ドルをわずかに上回る過去最高値を更新し、時価総額は初めて2兆ドル(約300兆円、1ドル=150円換算)に達した。その後、トレーダーがこの動きの利益を確定したため、アジア取引時間午後には10万2500ドルまで値を下げた。
機関投資家の需要の増加、ETF(上場投資信託)への資金流入の増加、伝統的な金融界のセンチメントの改善、そしてアメリカで間近に迫ったドナルド・トランプ(Donald Trump)次期大統領就任への楽観論(同氏はアメリカをビットコイン活動の中心にすると公約している)を背景に、この暗号資産(仮想通貨)は過去30日間で50%上昇した。
アメリカのビットコイン現物ETFは4日に5億3300万ドル(約799億5000万円)の純流入を記録し、ブラックロック(BlackRock)のIBITは純資産額が初めて500億ドル(約7兆5000億円)を突破した。
このような急速な価格上昇は、一部のウォッチャーの間で、価格が9万ドルまで急落する可能性があるという、市場の天井を懸念する声に拍車をかけた。しかし、季節的に強気なホリデーシーズン、ETFからの需要、主流メディアの注目度の高まりにより、今後数週間のビットコインの買い需要がさらに高まる可能性があるとトレーダーは述べている。
現在の上昇と今後の動向について、3人のトレーダーが次のように語っている。
「連邦準備制度理事会(FRB)のジェローム・パウエル(Jerome Powell)議長のビットコインはデジタルゴールドだというコメントと、ポール・アトキンス(Paul Atkins)氏の証券取引委員会(SEC)の委員長への指名という前向きなニュースにより、BTCはついに10万ドルに到達した。しかし、BTCが10万ドルを突破し、世間の注目を集めるのを待っている需要があるはずなので、上昇の余地はまだあると我々は考えている。さらに、BTCは他のマクロ資産に比べてまだ小さいが、時価総額の拡大は、今や意味のある規模を割り当てることができるようになった大手機関投資家を引き付けるだろう」──プレスト・リサーチ(Presto Research)の投資アナリスト、ミン・ジョン(Min Jung)氏。
「ビットコインが10万ドルの水準を突破したことは、単なる節目ではない。暗号資産業界にとって極めて重要な瞬間だ。この自信は、特にポール・アトキンス氏がSECの委員長に指名されたことなど、アメリカの規制環境がますます好転していることに刺激されている。これにより、この分野への機関投資家の投資がさらに促進され、ビットコインの信頼性が高まり、新たな採用の波が生まれる可能性がある」── 暗号資産取引所BTSEのCOO、ジェフ・メイ(Jeff Mei)氏。
「一部の投機家は、10万ドルの到達が市場のピークを示すと考えているが、オンチェーンの需要とマクロ経済指標は、ビットコインがさらに上昇する勢いをまだ持っていることを示唆している。これは、アメリカ大統領選挙や暗号資産に対する規制当局の姿勢など、主要な弱気なストーリーが無効になったことでさらに明らかになった。長期保有者はポジションのレバレッジを解消するかもしれないが、主流メディアやリテール市場の投資家は、この重要な水準でのビットコインの信じられないほど急速な上昇にようやく気づき始めたばかりであり、取り残されることへの恐怖からさらに買い圧力が高まる可能性がある」── LVRGリサーチのディレクター、ニック・ラック(Nick Ruck)氏。
|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:Shutterstock
|原文:Traders See Even More Bitcoin Buying Pressure as BTC Sets New Record at $103K